ワーキングマザー、育休後の働き方に悩む方は本当に多いです。私もそのひとり。
職場へ復帰するにあたり、どのように働くか、予め検討しておく必要があります。
この記事では、育休後の女医にとって、どのような選択肢があるか、どう検討すべきか、についてお話します。
また、産後の働き方の事例を紹介し、私自身は大学院生となりましたので、これについても言及します。
育休後の働き方:選択肢
- 通常勤務
(当直ありorなし) - 時短勤務
- 業務内容の変更
(外来のみ担当など) - 転職
- 診療科目の変更
- 大学院生
(臨床を兼務する場合も) - 開業
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どう検討するか
どのように働きたいか、希望するキャリアを考える
まず、ご自身の希望のキャリアについて考えましょう。
出産時期によっては、専門医取得前後などタイミングの問題もあります。
復帰後、
- 専門医を目指すのが当面の目標なのか
- 専門医として研鑽を積む、あるいは積みたい時期なのか
- 外科医として手術習得を継続したいか
- 学位を取りたいのか
など、今後の到達したいキャリアについて検討します。
何に重きを置くか
次に、上記の目標をどれくらいの期間で達成すべきか・したいかについて考えましょう。
仕事も育児も両方大事。しかし育児が加わった今、どうしても出産前の働き方と全く同じようにいかないのも現実。
ワンオペやフルタイム当直ありで復帰する女医さんには脱帽ですが。(すごいことです。)
短期間単位でキャリア向上を望むのであれば、通常勤務で復帰し、周囲の協力(保育園、家族、ベビーシッター、家事代行など)を得て、できるだけ仕事メインの生活スタイルを送ることになるでしょう。
しかし、通常業務と言っても、当直なし、残業なし等、希望に応じフレキシブル、臨機応変に対応しましょう。
今は育児・プライベートを重視したい、という考え方であれば、時短勤務や業務内容の変更、転職などを検討し、生活スタイルとしてご自身が無理なく行える仕事内容にシフトすることになります。
周囲の協力体制を整える
- 保育園の預かり時間、延長保育や夜間保育の利用可否を確認します。
- 上記で検討した仕事内容を行うために必要なサポートを検討、導入します。
- 夫や祖父母の協力が得られるか?
- ベビーシッターを利用するか?
- 家事代行を頼むか?
などを検討し、例えば手術や残業がある場合は、あらかじめお願いするようにします。
ご自身の考え方が整理できたら、家族に相談し、ある程度の育児の役割分担を決めましょう。
具体的には、保育園への送り迎え、緊急時呼び出しの対応、食事の準備・介助、お風呂の介助等です。
その後、育休後の働き方を上司に相談しましょう。
産後の働き方の事例
A同期:麻酔科医。通常勤務、当直なし。夫の協力得られる。
B同期:外科医。通常勤務、当直なし。夫医師でほぼワンオペ。実母の協力あり。
C同期:皮膚科医。仕事内容の変更(外来のみ)。
D同期:転職。週3回の勤務でプライベート重視が叶う職場とのこと。
私の場合
私は大学院進学という選択をしました。
キャリア形成の上で将来的に学位を取るべきという考えがあったことと、血管内治療医を目指している私にとって、妊娠後一定期間放射線業務ができないため、技術的に腕を磨けない期間ができてしまうことが考えられたからです。
大学院進学といっても、臨床研究と基礎研究があります。臨床を行いながら臨床研究を行う場合もありますし、モデル動物を使用する基礎研究に従事する場合もあります。
研究室を選択するにあたり、指導者や研究者の実績、どのような研究ができるか、自分に興味がある内容かを吟味し、一定期間基礎研究に従事することを考えました。
まず夫に相談し、次に上司と教授に相談し、進学の準備をしました。
デメリット
・手術を極め続けるのであれば一定のブランクとなる。
(少しでも手術を離れることに抵抗があればおすすめできません。私は手術見学だけでも時々できるよう交渉しました。臨床を行いながらの大学院生であれば、そのブランクは最小限に抑えらえます。また、何年在籍するか、結果が出せるかによると思います。)
・無給となる。(勤務する場合は、この限りではありません)
メリット
・研究に打ち込める。学位取得を目指せる。
・ベッドフリーだと育児に重点をおける。
実際進学して
私の場合、基礎研究は一からのスタートでした。実験をする上で、基礎手技習得、科学的論文の精読、リサーチカンファレンスなどやることは多々ありますが新鮮です。
また、手術のようにずっと立ちっぱなしということはなく、デスクワークが多いため、妊娠中でも無理なく研究生活を送れます。
保育園の送り迎えや緊急呼び出しにも対応できる環境であり、ありがたく思っています。基礎研究が、今後どこかの過程で生かすことができればと考えています。
まとめ
どのように働きたいか。そのためのサポート環境を整えられるかがポイントです。
どうしても妥協せざるを得ないこともあるでしょう。できるだけ希望がかなうように、家族や上司と相談しましょう。
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