無痛分娩と自然分娩どちらにしよう?どちらがいいの?とても悩みますよね。
私(脳外科医)は、
第一子自然分娩希望
⇒無痛分娩で出産。
第二子無痛分娩希望
⇒自然分娩で出産しました。
え、どういうこと?と思いますよね。
ドタバタで分娩法の希望が叶わずに、出産に至ったのです。
- 無痛分娩はどんな感じ?
- 自然分娩の痛みが不安。
- 無痛分娩と自然分娩
どちらか悩む。 - エピソードを聞いてみたい。
出産は全てが命がけで奇跡。
自分が望む形の出産ができれば理想。
しかし思い通りにいかないこともある。結局どちらを選んでも間違いではない。
これはひとつの体験談ですが、悩んでいらっしゃる方の参考になりましたら幸いです。
第一子の出産
出産前の希望
第一子は近くのクリニックで出産希望。
そこはソフロロジー法(リラックスした呼吸法による自然分娩)を推奨しており、私はその気マンマン。動画を見て、呼吸法を練習していた。
自然分娩希望⇒無痛分娩で出産
出産プロブレムリスト
#早期破水
#微弱陣痛
#硬膜外麻酔
#吸引分娩
それは破水から始まった。寝ているときにおもむろに。深夜すぐに入院する。
しかし羊水は漏れるのに、待てど暮らせど陣痛が来ない。
微弱陣痛につき、陣痛促進薬を点滴された。しばらくすると、うねるような激しい痛みの陣痛発来。
ソフロロジー呼吸法を思い出し、細く長―く息をするが効かず、陣痛のたびに身体が突っ張る。
陣痛発来時は、下腹部の押されるような、絞られるような感覚で生理痛よりずっと重い。それが徐々に強くなる。そして等間隔に陣痛が来るので、わかります。
私の感想は、例えるならば、身をよじるような痛み。波のピークが来ると、自然と体が突っ張ってしまう。とにかく「イタイ、イタイ」と言わずにはいられない。
※私個人の感想であり、痛みの感じ方や程度は人により様々です。
しかし陣痛と同時に胎児徐脈になり…、点滴中止を余儀なくされる。
そして子宮口開いて来ず。陣痛のたびに何度も胎児徐脈。
しばらくして、医師より「緊急帝王切開します!」とのことで、慌てて説明と準備がなされる。
横になって硬膜外麻酔開始。お薬はいって上向きに寝る。
おなかを消毒され、いまから、まさに切開ってときに!
足をあげてから、薬が効いた影響で、
・両足がしびれてきて、両足先が冷たく感じてくる。
・何度か陣痛がきたが、その痛みは緩和されている。
しかし、胎児がなかなか出てこない!
吸引分娩する!!と。
産む時は、胎児が通り抜ける感覚はあるが、痛みはなかった。
頸管裂創(子宮頸管が裂ける)を合併したが、縫合時も痛みなし。
両下肢が麻痺したが、しばらくして元に戻った。
こうして、結局無痛分娩の形で出産した。
教えて!無痛分娩
主に硬膜外麻酔を指します。
多くの先進国(欧米、中国など)では約60-80%の妊婦が無痛分娩による出産を選択している。
なぜなら、分娩に伴う苦痛は、医師の管理下に安全な方法で取り除くべきと考えられているから。
一方、日本では無痛分娩が行われるのは約6-8%。
麻酔科専門医がいる施設で行えば、自然分娩と比較してリスクが高いわけではない。
引用:Wikipedia,他サイト
メリット・デメリット
無痛分娩 | 自然分娩 | |
〇 | ・陣痛・出産の ・痛みが緩和される ・産後の回復が早い | ・産んだ達成感 ・実感が持てる ・費用が安い |
× | ・合併症の心配 ・鉗子・吸引分娩を 要することがある ・費用が高い | ・痛みが大きい ・体力が消耗 ・痛みへの不安 |
▼参考になる外部リンク
無痛分娩はどんな人に向いている? 専門医が教えるメリットとデメリット | ワンモア・ベイビー・ラボ (1morebaby.jp)
産後の様子
産後プロブレムリスト
#頸管裂創
#貧血
頸管裂創のため、多量出血した私は、貧血のため、めまい・ふらつき・動悸がして、しばらく立てなかった。
無痛分娩は産後の回復が早いのがメリットですが、出産に伴う合併症がある場合はその限りではありません。
第二子の出産
出産前の希望
どう産むか・どこで産むか
<どう産みたいか>
第一子の出産経験を踏まえ、無痛分娩と自然分娩はどうするか。
私にとっては陣痛が耐え難い痛みであったので、可能なら無痛分娩にしたいと思った。
<どこで産むか>
出産は何があるかわからないと実感したので、大学病院にしようと決めた。
大学病院では、自然分娩を第一としながらも、麻酔科が24時間待機しており、希望があれば、分娩の痛みに応じて無痛分娩の介入を行えるとのこと。
これこそ理想だった。
分娩時は無痛分娩希望と、登録された。
無痛分娩希望⇒自然分娩で出産
出産プロブレムリスト
#短時間分娩
陣痛が発来したが、まだまだだろうと高を括っていた。
しかし、陣痛が等間隔になり、その間隔が徐々に短くなり、病院に着く頃には歩けず。車いすで診察台に。
すると「子宮口が8cmです。すぐに分娩室へー!」って。
えっ!!
麻酔科を呼ぶヒマなんてなし。
そのまま自然分娩で出産。
思った以上に分娩が進んで、なんと分娩時間は4時間の超スピーディーお産。
陣痛自体は痛く、いきむのもうまくできませんでしたが、「これが自然なお産なんだー」と実感できた。
痛い思い出より、達成感が大きかった。
無痛分娩と自然分娩、どちらがよいかホントに迷っている場合
私は、どちらのメリット・デメリットも知っているがゆえに、はっきりどちらがいいと決めかねていたんです。
そんなときは、自然分娩を予定しながら、麻酔科が常勤し、24時間無痛分娩対応できる病院で出産するのが安心かと思います。
分娩の痛みに応じて無痛分娩の介入を行うことができるならば、心にも余裕ができます。
出産エピソードからの教訓
・痛みに耐えられるか不安が大きい場合は無痛分娩の選択もある
・それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで個々の考え方で決定すればよい
・二人目は陣痛が来たらお産まで早い可能性あり
・よって無理をしない、勝手に判断しないで早めに来院すべき
・分娩が希望通りにいくとは限らない
まとめ
私の出産エピソードと教訓をご紹介しました。ひとつの体験談として、ご参考ください。
皆さまが納得のいく選択ができますように。
そして、無事なご出産をお祈りしています。
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