皆さまは、コメディカルの方々と、良好な関係で仕事ができていますか?
医師がコメディカルこそ大事にすべき理由
それは、
信頼関係が築かれ、自分に有利に働くから!
メリットだらけなんです。
本記事では、具体的にどんなメリットがあるか、詳しくご紹介します。
コメディカルは欠かせない存在
コメディカルとは、医師を除く医療従事者の総称です。主なコメディカルは、看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、救急救命士などです。
医療を行う上で、医師とコメディカルの連携は必須です。
例えば、脳外科で手術をする場合、手術室担当看護師が必要ですし、高度な手術であれば、臨床工学技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が立ち会うこともあります。血管内治療であれば、看護師・放射線技師が必要です。
例えば、病棟の看護師は患者さん全体のケア・術後の管理などを、夜勤をこなしながら行い、患者さんに密に関わる存在です。
コメディカルの存在は欠かせないのです。
コメディカルを大切にする理由
1、気軽に話しかけてくれる
看護師は、患者の詳細を聞くために、直接研修医に尋ねてきます。
オーベンと研修医がチームとなり、ひとりの患者さんを担当しますが、
指示などでわからないことがあれば、先に研修医に相談することが多いです。
なぜなら、研修医の方が断然話しやすいから。
そこで、つっぱねてはいけません。
相手の話す内容を傾聴し、的確な解答ができるとベストです。
分からない場合は「わからないので、オーベンと相談してから連絡します。」と、正直に伝えましょう。
誠実に対応すれば、信頼関係が築かれ、
「先生は相談しやすいから」
と頼ってくれます。
上から目線で対応してしまうと、
”相談しにくい先生”というレッテルを貼られてしまいます。
実際、そう思います。
でも、初期研修のうちは経験が浅く、ある程度、仕方がないものと割り切りましょう。
その方の性格にもよるのでしょうが、
もし自身がレベルアップして、同じ場所に帰ってきたならば、ベテランナースの態度も変わるでしょう。
従って、あまり気にしないことです。
2、患者の情報をいち早くゲットできる
患者の症状に変化があれば、すぐ医師に知らせるのも看護師の仕事。
真っ先に伝えるべきは、主治医ですが、
話かけやすい医師であれば、その連絡自体も迅速です。
そこで、素早い対応をしてくれる、必要な時はすぐにかけつけてくれる医師は、信頼されます。
患者の情報をいち早く知り、行動することは、何より患者さんのためになりますよね。
3、親切な提案をされる
こんなことがありました。
救急外来で、くも膜下出血の患者さんが来院したときのこと。
私は、撮影室に同席しました。
(くも膜下出血の場合は、動脈瘤の再破裂を危惧して、医師も検査につきあう)
頭部CTでくも膜下出血と診断されたら、続いて、頭部の造影CTA(血管撮影)を行うことがルーチーンなのですが、
放射線技師の方は、親切にも、
「血管内治療になるかもしれないから、胸から頸部の血管撮影も追加しましょうか?」
と提案してくださったのです。
ありがたいことに、この検査のおかげで、胸部血管は蛇行が強く、カテーテル誘導困難例であることがわかりました。
自分からも検査の追加を依頼することはありますが、
その時は、技師さんの方から気の利いた提案をしていただけました。
信頼されていないと、そのような親切な提案をしていただけないのでは、と思います。
この例に限らず、コメディカルの皆さまと信頼関係を築くことで、様々な提案を受けることができるのです。
その結果、仕事の効率も上がります!
4、大切にされる

うちわの飲み会に誘ってくださる。
お別れのときには、プレゼントを贈られる。
異動後も、連絡をくださる。
ありがたいことに、私には、今もつながっているコメディカルの方がいます。
相手を大切にすると、自分も大切にされるでしょう。
恋愛に発展し、結婚した事例もあります。
仕事のやり取りとして、自分が誠実な態度をとるからこそ、相手も誠実に返してくれ、
お互いそのお人柄に惹かれたのでしょうね。
コメディカルを軽んじた先輩医師の例
残念なことに、ごく一部とは思いますが、
コメディカルに対して、上から目線で厳しくあたり、横柄な態度を取る医師もいらっしゃいます。
看護師も失敗し間違えることがあり、
自分の気に入らない場面に遭遇することもあるかもしれません。
もちろん厳しく諭さねばならないこともあるかもしれませんが、
当たり散らすのは良くないと思います。
実例に少しだけ触れます。
▶ある看護師がベッドを運んだが、必要な点滴台を忘れた。
「何やってる!早く取りに行ってこい!」と医師より厳しく怒鳴られた。
看護師はひるんでしまい、トラウマになり、その他数々のストレスが重なり、結局退職してしまった。
▶患者の症状が増悪(片麻痺の悪化)したが、
主治医は看護師に怒鳴ってばかりの先生であったため、
看護師が連絡を躊躇してしまい、結果的に迅速な対応ができなかった。
以上は稀な例だと思いますが、デメリットばかりなので、やめましょう。
少しの言葉かけや話し方ひとつで、その医師の印象は全く異なります。
自身に余裕がないときもあるでしょうが、
それを吹き飛ばすくらい大らかな心でいたいものです。
最後に
医療はチームワーク・信頼関係が大切。
相手に対して優しく接すれば、優しく返ってくる。
誠実に対応すれば、慕われる。
人として、ステキなドクターを目指しましょう。
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