毎日の勤務、お疲れ様です。
医局がブラックすぎる、もうやめたいと、限界を感じておられませんか?
私(脳外科女医)は、友人・知人が、あるべき姿とはかけ離れた医局で、過酷な毎日を過ごしている現状を目の当たりにしました。
今回は、実話から得た気づきと解決策をお話します。
医局とは
大学における診療科ごとのグループ組織のこと。「臨床、教育、研究」を行っています。
医局人事で働き先が決まり、大学病院だけでなく、関連病院でも研鑽を積みます。
医局に所属することで、専門性を高め、順当にキャリアを積むことができます。
こんなに差がある医局事情
私の所属する脳神経外科医局は、かつては、医師不足で過酷な状況がありましたが、現在は解消され、雰囲気も良好です。
とあるA医局も大人気、アカデミックで医局員が生き生き働き、とても過ごしやすい。
一方で、B医局は超ブラック。教授が威圧的で、カンファレンスは雰囲気最悪。医局員がこわごわ発表し、手術では罵声が飛び交う。
C医局は、派閥がふたつあり対立。医局員がどちらに師事するかが、キャリアにも影響。結局、一方の派閥全員が辞める事態に。
実話
突然のクビ
専門医取得前の男性医師。関連病院で上司とうまくそりが合わず、病院変更を希望したが聞きいれてもらえず。抗議したらクビに。
育児中の女性医師。時間に制約があり、当直ができない。通常業務ができないと判断されてクビに。
左遷
ベテラン男性医師。教授や医局長が、その医師を気に入らないために僻地へ左遷。
マタハラ・セクハラ
詳細は割愛しますが、マタハラ・セクハラで苦しい思いをした女性医師もいます。
ブラックな医局の特徴
- 教授や上司が威圧的
- とにかく激務
- 対価が支払われない
- 医局員がやめていく
教授や上司が威圧的
教授や上司がパワハラをし、医局員や若手医師を雑魚扱いするケース。
医局員が意見を自由に言えないので、上司は医局員の悩みがわからず、医局の雰囲気も悪くなる。
医師が上司から理不尽なことをいわれたら。どう対処すべきか?も、ご覧ください。
とにかく激務
仕事が激務。中でも、
- 休憩時間が全くない
- 残業が規定を超えている
- 当直オンコールが多すぎる
- 受け持ち患者が多すぎる
勤務が限度を超えると、疲弊します。
全員がフル稼働のため、誰にも頼れない状況になることも。
私自身、過去に、ふたり体制で脳卒中を365日受け入れ、血管内治療をしていましたが、全日オンコールは、キツかったですね。
他にも、緊急治療があれば強制的に全員集合、若手に患者担当を丸投げなど、不当な扱いを受ける場合もあります。
対価が支払われない
オンコール対応や残業など、支払われるべき対価が、支払われないケース。
救急対応や残業を記載しても、決定権のある上司から操作され減額される、あってはならないことだと思います。
医局員がやめていく
ガマンが限界に達したとき、退職することが考えられます。
退職者が出ても、反省をせず改めない場合は、繰り返されるでしょう。
理由を考える
医局がブラックだと
→働きたくなくなる
→やめる医師が増える
→業務が増える
→ストレスがたまる
→医局の雰囲気が悪くなる
大きな理由は、医局内の医師不足!
それを招くのは医局の雰囲気が悪いから。
誰もが、他者と良好な関係を築き、生き生きと働きたいですよね。
そのためには、まず医局全体を良くすることが大切です。
医局の雰囲気をよくするために
- 医局員一人ひとりを尊重する
- 医局員の意見を傾聴する
- 医局員をねぎらう
医局員一人ひとりを尊重する
上司が威圧的なのは、性格・過去の腹いせなど理由は様々。
それでも、上の立場であれば、一人ひとりを「人」として尊重していただきたい。
たったひとりでは、手術もできません。お互いが協力し合うことが何より大切です。
医局員の意見を傾聴する
どのような悩みがあるかご存知でしょうか。
・どの専門分野を究めたいか
・働き方に無理がないか
・残業が多すぎないか
・疎外されていないか
・家庭との両立で悩んでいないか
・休憩はとれているか
直接のヒアリング、ご意見番の設置、無記名のアンケートなど、色々な方法で聞き取りが可能です。
問題点を改善していけば、きっと気持ちよく働ける職場になるでしょう。
医局員をねぎらう
教授はトップで業務も多忙。教授室があり、孤立しがちかもしれません。
しかし、教授が医局員と親しい関係が築ける医局は、雰囲気がいいです。
「当直おつかれさま」「緊急手術ありがとう」ねぎらいの一言があると救われます。
その他工夫
- 従業員の相談にのる
- 多様な働き方を認める
- 当直や残業を削減する
- 魅力的な雰囲気作り
- 勤務体制を整える
- チーム制にする
- 託児所を設置する
- プライベート空間を作る
医局や病院ができる工夫は、子育て女医が医局をやめ転職する理由にまとめました。
解決策
- 見学をする
- 一旦休息をとる
- 相談する
- 転職を考える
見学をする
これから入局を考えておられるなら、必ず医局を見学しましょう。
<確認すべきこと>
- 教授や医局長の人柄
- カンファレンスの雰囲気
- 医局員の様子
- 医局員の動向
- 先輩医師の話
教授や医局長の人柄
面談である程度わかるでしょう。任期も確認しましょう。
カンファレンスの雰囲気
和気あいあい、質問しやすい雰囲気か。
医局での医局員の様子
ときに雑談をしているか。笑顔があるか。
医局員の動向
入局者はいる?辞めていく医師はいないか。
先輩医師の話
先輩に、実際どんな勤務か、聞いてみましょう。忙しくも充実した毎日を送ることができているか。
一旦休息をとる
すでに、ブラックな医局で限界を感じている場合、休めない事情もあるでしょうが、休息が必要です。
上司に、申し出てみましょう。
相談する
医局に所属するメリット・デメリットを整理し、どのように働けばベストか考え、ご家族と相談しましょう。
直属の上司に相談すれば、業務内容の変更をご考慮いただけるかもしれません。
転職を考える
相談しても状況が変わらない場合は、転職もひとつの選択肢になるでしょう。
現状にガマンする必要はありません。
まずは、転職エージェントに相談してみましょう。何より気持ちがラクになります。
<転職エージェントとは>
転職をサポートしてくれるサービス
・キャリアプランの相談
・求人の紹介
・履歴書の提出
・面接のアドバイス
・面談日の調整
・病院側との交渉
・入社日の調整
を求職者の希望に応じて提供します。
転職先の病院側が転職エージェントに紹介料を支払うため、求職者にお金はかかりません。
\登録・相談はすべて無料/
民間医局
医師転職ドットコム
医師転職支援サービスの【JMC】
Dr.転職なび
まとめ
・医局について
・ブラックな医局の特徴
・医局の雰囲気を良くするために
・解決策
についてお話しました。
良好な雰囲気の医局が多い中、残念ながらブラック医局も存在します。
もし、現状にお悩みであれば、働き方を変えることもひとつの選択肢。皆さまが充実した毎日を過ごせますように。
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