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研修医向け

【研修医の悩み】プレゼンテーションが苦手。緊張せずに上手くなるコツ

プレゼンアイキャッチ

 

プレゼンテーションって緊張しますよね。

しかし、
カンファレンス・回診・学会発表など、

プレゼンテーションをする機会は今後たびたび訪れます。

上手くなりたいですよね。

  • 緊張して何を話せばよいかホワイトアウトする
  • 何をどうプレゼンすべきかわからない
  • プレゼンが上手くいかず苦手

そんなお悩みを解決します。

緊張する理由

  1. 何を話せばよいかわからない
  2. 準備不足
  3. 不慣れ
  4. カンファレンスの雰囲気

④は、例えば教授・上級医が威圧的で和やかな雰囲気とはほど遠く、研修医が意見しにくい場合。

こればかりは、どうしようも改善できないので、

①、②、③を克服しましょう。

克服する3ステップ

克服するためには、

  1. 何を話せばよいかわらない
    ⇒話す内容を理解する
  2. 準備不足
    ⇒どんな準備をすればよいか
  3. 不慣れ
    ⇒練習をすべし

詳しくみていきましょう。

話す内容を理解する

プレゼンテーションは、

「何も情報を知らない人」に対して、

自分の患者の説明を行います。

ただ、詳しく述べてもわからない。

状況に応じ絶対含めたい内容をおさえてプレゼンしましょう。

プレゼンテーションの内容

入院患者プレゼンテーション

会議室

ここでは、医局内のカンファレンスでのプレゼンを想定して解説します。

カルテや画像を提示しながら行うプレゼンテーションです。

たいていこの流れでプレゼンします。

  • 年齢、性別
  • 主訴
  • 既往歴(家族歴・生活歴)
  • 現病歴:入院に至った経緯
  • 身体所見
  • 検査所見(血液、画像)
  • 診断名(鑑別診断)
  • 問題点:プロブレムリスト
  • 解決法:治療方針

よく見たら、
入院時のカルテの書き方じゃん。

そうです。
入院患者のプレゼンテーションでは、

入院時初診時カルテに沿ってプレゼンする流れになります。

さなえ

だから、入院時カルテはしっかり書いておいた方がいいですね

例)
70歳、女性 
主訴 呂律困難、左上下肢の脱力
50歳から高血圧を指摘されたが、放置。
起床時に呂律困難を自覚、左上下肢に脱力を認め、救急外来を受診されました。
来院時、意識清明、軽度構音障害あり、左顔面麻痺、左上下肢にMMT2の不全麻痺を認めました。
頭部CTでは、出血はなし。頭部MRI拡散強調画像にて右内包後脚に高信号を認めました。
頭部MRAでは、頭蓋内主幹動脈に狭窄・閉塞病変を認めませんでした。
病名は、右内包後脚ラクナ梗塞で、抗血小板療法を開始しました。
本日リハビリテーション紹介予定です。

モニターにカルテ・画像を出しながらプレゼンしていきます。

上の例は、ラクナ梗塞なので、バイタルサイン・血液データ所見を省きましたが、カルテには記載しましょう。

回診のプレゼンテーション

回診では各患者の現状と治療法、今後の方針について、

簡潔に述べることが求められます。

先ほどの例であれば、
こんなプレゼンになります。

例)
高血圧の既往があり、
〇日に呂律困難、左上下肢脱力を主訴に来院された右内包後脚ラクナ梗塞です。
現在、軽度構音障害、左顔面麻痺、左上下肢にMMT2の不全麻痺を認めます。
頭部MRI拡散強調画像にて右内包後脚に高信号を認めました。
頭部MRAでは、頭蓋内主幹動脈に狭窄・閉塞病変を認めませんでした。
治療は、抗血小板療法を開始しました。
本日リハビリテーション紹介予定です。

入院時のしっかりプレゼンよりも、ショートバージョンになります。

もっと簡潔に述べるときは、

例)
(画像を提示しながら)右内包後脚ラクナ梗塞です。
現在、軽度構音障害、左顔面麻痺、左上下肢にMMT2の不全麻痺を認めます。
治療は、抗血小板療法、リハビリテーションを行います。

となります。中堅医は、こんな感じです。

回診でのポイント
  • 年齢・性別は省略可
  • 既往歴は現病歴や病名にサラっと含める
  • 病名を先に述べ、治療中の内容を説明する
  • 今後の方針を述べる

簡潔なので、質問されたら答えられるようにしておきます。

他科へのコンサルト

結論から簡潔に述べる!これ大事!

救急科研修医から脳神経外科にコンサルトをいただきますが、

例えば、緊急開頭血腫除去術が必要ならば、急ぐんですよー!

脳ヘルニア、右被殻出血です!

って言ってくだされば、すぐ駆けつけますので。

研修医

左片麻痺で来た60歳女性です。

意識はJCS100、

瞳孔不同があって……

さなえ

え、それ急ぐよ。

出血?梗塞?

となりますので、注意しましょう。

病名を簡潔に述べ、そのあと詳細を述べましょう。

救急科ICUのプレゼンテーション

ICUでは全身管理を行うので、プレゼンテーションは特殊になります。

By systemといって臓器ごと(意識・循環・呼吸…)に順番にプレゼンしていきます。

詳細は下記外部リンクをご参照ください。

初期研修医に知ってほしい! カルテ記載とプレゼンテーション | Antaa Slide

どんな準備をすればよいか

カルテを書くひと

準備が欠かせないです。

なぜなら、患者の状態を把握していないと、話せないからです。

テンプレートを用意する

プレゼンに慣れないうちは、型にあてはめましょう。

先程の症例(発症7日目とする)であれば、

問題点(プロブレムリスト)は
#右内包後脚ラクナ梗塞
#未加療高血圧

治療方針は
#右内包後脚ラクナ梗塞
抗血小板療法・リハビリテーション
#未加療高血圧
降圧薬加療

今後の予定は
回復期リハビリテーション

となります。

例)
①患者の概要
右内包後脚ラクナ梗塞
発症7日目の70歳、女性です。

②入院後経過
抗血小板療法・リハビリテーションを開始し、症状は著変なく経過。
現在、軽度構音障害、左顔面麻痺、左上下肢MMT2の麻痺が残存しています。

③問題点と治療方針
未加療の高血圧に対しては、明日より降圧薬を開始します。(※)

④今後の予定
麻痺が強く残存しており、回復期リハビリテーション病院への転院の方針です。

⑤相談したいこと
(今回はなし)

(※脳梗塞急性期は降圧しないので、こう記載しました)

今回シンプルな例を使用しましたが、
複雑な症例でも、やることは同じです。

効率が良いのは、紙媒体テンプレートを用意し、そこに書き込むことです。

そうすれば、そのまま読み進めることができます。

データ分析・画像・問題点・治療方針がわからないときは、上級医にどんどん質問しましょう。

カルテをコピーしメモする

上記のテンプレートが用意できれば望ましいですが、

持ち患者が多い!とにかく時間がない!

場合は、カルテをコピーし、そこに新たな情報を書き込みます。

研修医

だからカルテにプロブレムリストをしっかり書くべきなんですね。

カルテをしっかり書いておけば、

入院時現症と毎日のプロブレムリストをコピーするだけで完結する場合もあります。

練習すべし

誰もいない所で声に出して練習しましょう。

さなえ

持ち帰って練習するといいですよ。

個人情報取り扱いには注意して。

どうしても緊張する場合

・カルテや画面を見てOK
・声はわざと大きめに話す

上手くなるコツ

プレゼンが上手な人を参考にする

同期でも先輩でも、他人のプレゼンを聞いていて、すっとわかりやすく、流れるように理解できる場合がある。

その人は、上手なのだ。

その人をお手本にすべく、どんな内容かをよく聞いて。

可能なら、準備・発表の仕方を聞いてみたらよいです。

上級医に質問する・教わる

自分が理解しないまま発表しても、誰にも伝わらない。

わからないことは、遠慮なく、質問しよう。

プレゼン前日など準備段階で質問すると、上級医も余裕をもって答えてくれるでしょう。

SQ: Semantic Qualifierを使う

セマンティック・クオリファイアー

簡単に言うと、主訴や病歴から抽出したキーワードになる医学用語です。

疾患を想起したり、鑑別診断を絞り込むのに役立ちます。

例えば、

急に痛くなった⇒急性の疼痛
胸がどきどきする⇒動悸
頭がズキズキする⇒頭痛

などと言い換えるのです。

これらを適切に使うことで、簡潔かつわかりやすいプレゼンができます。

叱責されてしまったら

もし、

  • プレゼンが上手くいかなかった
  • 伝わらなかった
  • 質問に答えられなかった
  • 叱責されてしまった

そんなときは、まず、自分にお疲れ様を言おう。

さなえ

がんばって発表して偉かったです。

気にしない

実際、研修医を上から目線でやっつけるようなカンファレンスに遭遇したことがあります。

  • 医局のカンファレンスの雰囲気が悪かった
  • 教授や上級医が威圧的だった

こんなときは、気にしないことです。

振り返りをする

初めから、うまくできることはない。

失敗してあたりまえ。

ちょっと一息ついてから考えてみよう。

  • どうして叱責されたか…
  • やはり自分のプレゼンが悪かったか
  • どこが良くなかった?

具体的には、

  1. 質問された内容を書く。
  2. それに対して、解答を準備する。
  3. 上級医にフィードバックしてもらう。

どう答えたらよかったのかな?と

親切な先輩医師であれば、ご指導くださいます。

こうすればよかったんだ!と発見できれば、次につながります。

ここまで、できたら完璧ですね。

悔しいから、見返す気持ちで、

次はさらなる対策をしてレベルアップ。

上級医が、おおーっとなれば、こっちのもの。

失敗は成功のもとですね。

もっと深く知りたいときは

参考書をご紹介します。

1、よく出会う18症例で学ぶプレゼンテーションの具体的なポイントとコツー初めてだってうまくいく!


2、あの研修医はすごい! と思わせる 症例プレゼン〜ニーズに合わせた「伝わる」プレゼンテーション

まとめ

プレゼンを克服する3ステップ
  1. 話す内容を理解する
  2. 準備をする
  3. 練習する

初めは準備が大変ですが、この記事を参考に、練習してみてください。

今後、学会など発表の機会も増えてきます。練習は決してムダではありません。

数を重ねるごとに、プレゼンテーションに慣れ、自信につながるはずです。

ABOUT ME
さなえ
さなえ
2、4歳児の脳外科医ママ。 女医の妊娠、育児に関する悩み、経験を共有し、解決法や楽しくできる工夫を発信しています。
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