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手術中は、付き添いが必要?待ち時間、どう過ごす?アイデアと注意点

希望の花

医師自身も、「患者・患者の家族」になることがあります。

今回は、脳外科医の私が、患者の家族になった経験から、「手術待合中のギモン・注意点」についてお話します。

手術中、付き添いは必要?

患者さんが全身麻酔の手術を受ける場合、家族の付き添いは「必要」と心得てください。

一部の局所麻酔の手術や、何度も行っている小手術では、家族の付き添いが不要なこともあります。

全身麻酔:マスクや点滴から麻酔をし、手術中は眠っている状態で、意識はありません。

局所麻酔:点滴や注射から麻酔をし、手術中の意識はあります。

なぜ、付き添いが必要?

万一、手術中に、合併症や治療変更を要した場合、すぐに対応する必要があるからです。

ご家族に、即座にご説明します。

例えば、脳動脈瘤(こぶ、ふくらみ)がやぶれ、くも膜下出血になり、瘤に詰め物をするカテーテル治療(コイル塞栓術)を行っていたとします。

万一、治療中に脳動脈瘤がやぶれ、止血が困難なときは、頭をあける手術(緊急開頭手術)に移行することがあります。

あらかじめ術前に家族説明が行われていれば、緊急なので、すぐに手術室を移動して、治療を続けますが、

そうでないときや、患者さんの病態が変わったときは、家族説明を行うことがあります。

待合はどこで?

待合室

基本的に、指定の待合場所があります。ご不明なときは「どこで待機すればよいのか」、お尋ねください。

一般的に、緊急手術の場合は、「手術室近くの待合室」。

予定された手術であれば、「病室・詰所の近く」を指定されることが多いです。

また、手術中、ご家族は必ず病院内にいるようにし、ランチなど、指定の待合場所から離れる際には、ひとこと詰所に申し出てください。

どちらに出向いても、「必ず連絡がつく」ことが大事です。

待ち時間は長く感じる

患者の家族としては、不安もあるし、手術が無事に終わるまでは、気が抜けません。

そして、実際「待つ側」を経験していえることは「待ち時間はとても長い」ということ。

さらに、予定終了時間を過ぎると、焦りの気持ちも出てきますよね。

過去の多数の論文で待合中の家族のケアは必要で、例えば看護師からの声かけを行った方がよいという考察があります。

手術時間は目安です

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手術時間はだいたいの目安です。それより、長くなることも短くなることもあります。

長くなったからといって、必ずしも、悪いことが起こったというわけではありません。

さきほど申しましたように「なにか、変化があった」場合には、説明があります。

説明をお聞きになられたら、不安が増すでしょうが、医師は最善を尽くしていますので、術後の説明までお待ちください。

待ち時間をどう過ごす?

では、長時間の待ち時間を、どう過ごせばよいのでしょう?

いくつかアイデアをご紹介します。ポイントは『集中できることをすること』です。

願かけをする

祈り

手術が無事おわるように、祈ると、心が少し落ち着きます

具体的には、お経を唱える、写経する、などができる方法です。

瞑想するのも、ひとつの方法。楽な姿勢で座り、目をつぶってみましょう。

趣味をする

長い時間、集中する工夫です。

例えば、

・編み物をする
・本・雑誌・新聞を読む
・知恵の輪・クロスパズルをする

自己学習をする

スキルアップのための自己学習にあててもよいでしょう。

例えば、

・漢字ドリルをする
・英単語を覚える

気分転換をする

待っているご家族にも、気分転換が必要。

トイレに行く

ずっと座ってばかりもしんどいです。
たまには、歩いてトイレに行きましょう

食べる・飲む

食事がのどを通らない場合でも、飲水だけは、しっかりと。

温かい飲み物で、ホッと一息つくのもアリ。

外の景色を眺める

待機場所によりますが、待合室あるいは病院内の窓から、外を眺めましょう。

長時間であれば、複数人で交代することを、検討してもよいでしょう。

ただし、コロナウイルス対策で、人数制限を設けている病院もございますので、ご確認ください。

手術が終わったら

看護師から「手術がおわりました」と聞き、ホッとして、そのままご帰宅される方がいらっしゃいます。

コロナウイルス対策で、患者本人と面会ができない場合もございますが、術後説明は、必ずお受けください。

もし患者本人と面会できるなら「よくがんばったね、お疲れ様」といえるとよいですね。

実は、医師は、手術を終了しても、気が抜けません。

術後管理が大事だからです。

まとめ

待機中のご家族には、”心配な気持ち”が常にありますが、どうか信じて、うまく時間をやりくりしてみてください。

ABOUT ME
さなえ
さなえ
2、4歳児の脳外科医ママ。 女医の妊娠、育児に関する悩み、経験を共有し、解決法や楽しくできる工夫を発信しています。
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