最近、女性医師の増加に伴い、脳神経外科志望の女医さんも増えてきている。
嬉しいな!(^^)!
入局後、生き生きと働ければよいのですが、実際、臨床をしていると、なにかと不安になるもの…。
そこで、今回は、
- 脳神経外科女医あるある
- 幅広い分野で活躍できる
- 実力が求められる
についてお話します。
脳外科女医あるある
脳神経外科に限ったことではないのかもしれませんが、若手女医あるあるは、こんなです。
その1:患者に不安がられる
<入院患者さん>
わか…
本当にこの若い女医が自分の主治医か不安…
初対面で懐疑的な態度をとられてしまう。
<救急患者さん>
緊急手術の説明を行うとき、
初対面で自己紹介をするでしょう。
そのとき、あたりをキョロキョロ。
私が主治医で担当するんですけど…って。
いざ手術説明を始めると、
詳しいから、やっと聞き入ってくださり、
お願いしますとおっしゃいますが。
<外来患者さん>
看護師に間違えられる。
当直で縫いますねと言うと、驚かれる。
私、医師です、縫合もできるよ…
ってね。
脳神経外科って、きっと、
年配の男性医師が担当ていう
固定観念が影響しているのかな?
その2:患者に慕われる
でも一方でありがたがられるのも事実。
外来で、自分のファンが多い。
きめ細かな、患者対応のおかげなのでしょうか?
<60台男性脳梗塞>
すごく先生、先生とありがたがられる。
あとは、脳梗塞予防の薬管理だけのため、内科へ紹介しようとすると、
「先生がいいーって、このまま通院したいー」と。
<40台女性脳腫瘍>
「いつも、よく話を聞いてくれて、説明も丁寧で、ありがたいです。先生が異動だなんて、泣いてしまう」と。
プレゼントまで用意してくださり。
そんなことをおっしゃっていただき、こちらが、感謝します。
<80台男性脳梗塞>
いや~先生、ご結婚されたのですね。
先生のハートを射止めた男性とは、
どんな方か、いやはや…
<きわめつけ>
とある掲示板にたまたま見つけた一文。
△病院の〇先生(私)、めっちゃタイプや~
えーーー、ど・な・た ですか?!
色々な患者さんがいらっしゃいますが、
ありがたいことに慕われることが多いです。
ちなみに私が診療で心がけていること
- 患者さんと目線を合わせる
- お待たせいたしましたと挨拶する
その3:専門科を言うと驚かれる
質問されて、ウソはつきにくい。
外見と一致しませんか??
しませんよね?!
気にしないことです。
その4:学会は気合が入る
日常診療で大忙しの日々を送っていると、自身の美容がおろそかになってしまうことが…
最低限の整容はいたしますが、どうしても、そうなってしまう…
でも、学会は違います。
バッチリメイクして、キレイスーツを着て、ちょっと張り切ってしまいますね。
興味に応じ幅広い分野で活躍できる
脳神経外科は、さまざまなサブスペシャリティがありますので、まずは一通り研修をした後、興味ある分野に進むことになります。
女性医師が幅広い分野で活躍されていることを実感した出来事があります。
それは、数年前、脳神経外科女医会に参加したときのこと。(脳神経外科学会や脳血管内治療学会などで、案内される女医限定の飲み会)
女医同士が仲良く意見交換できるのでオススメ。
脳神経外科の女医さんは、
私の勝手なイメージ
イケイケゴーゴーな、男性っぽいひとが多い
と想像していましたが、違いました。
その会に集まった女医さんは皆、
たくましくも、気品にあふれており、
子どもの有無に関わらず、
元気に診療・手術を行っている方々でした。
当時私は脳外科専門医を取得したばかり。
お会いした女医さんは私より先輩で、
- 神経内視鏡学会専門医
- 脳神経外傷学会専門医
- 血管内治療学会専門医
などサブスペシャリティの専門医をすでに取得し、ご活躍されていました。
また、子育てをしながら、臨床をこなす方もいらっしゃいました。
印象的だったのは、皆さまが生き生きしていたことです。
私のクヨクヨした悩みも吹き飛び、モチベーションアップにつながりました。
もし、機会があれば、参加してみてもいいかと思います。
実力が求められる
今は、男女の如何に関わらず、実力主義ではないでしょうか。
以前こんなことがありました。
患者Aさん:40台女性
くも膜下出血にて緊急入院となった。
背景:
10年前Aさんの父親Bさんがくも膜下出血で倒れ、当時トップのX男性医師より血管内治療を受けた。
Y女性医師は当時まだ若手。
Y医師は、X医師に師事しておりBさんの担当医となった。
Bさんは、不幸にも中等度後遺症(日常生活に介助を要するレベル)が残存した。
疾患自体の合併症が原因であったが、Aさんは、血管内治療を担当したX医師、およびY医師を、あまりよく思っていない。
今回:
Aさんは、くも膜下出血に対し、血管内治療を受ける方針となった。
私がAさんの担当医となった。指導医はY医師(血管内治療トップ)。
Y医師がAさんに術前説明を行い、私は立ち合った。
その後、ベッドサイドでのことだ。
Aさんから、
「父のことがあるので、Y医師を担当から外してほしい」と。
私の心の中は、
えーー、Y医師がトップですよ。
Y医師に正直に相談すると、父親Bさんの当時の話が聞けた。
Y医師「そう思うのも無理はない、Aさんを理解できる」と。
Y医師は、Aさんと直接お話をし、最終的に、Aさんは納得し治療を受けた。
そして、治療経過は良好。
その後、AさんはY医師を信頼し、外来通院を継続している。
この症例、実は高難易度でした。
退院後Aさんは「Y先生は昔と全然違う。信じてよかった。」と話されました。
Y医師は並大抵ではない努力をされているはずです。
この例に限らず、男女関係なく、医師は努力次第で、レベルアップできる。
若手医師が先輩医師を上回る実力をつける、ことは普通にありえます。
例えば、臨床ブランク中の私は、後輩に追い抜かされていく…。
私も、臨床に復帰したらがんばらねばと、
自分を諭すためにもこの記事を書きました。
まとめ
以上、自身の体験を交え、
- 脳神経外科女医あるある
- 興味に応じ幅広い分野で活躍できる
- 実力が求められる
についてお話しました。
仲間はいます。
目指す像を思い描きながら、
充実した毎日を送りましょうね。
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