毎日の立ち仕事、おつかれさまです。
- 長時間立つのがつらい
- 腰、肩、足が痛くなる
- 長時間立つコツを知りたい
こんなお悩みを脳外科医が解決します。
私自身、これからお話する方法で、手術中長時間立つことができます。
<結論:長時間立つコツ>
1、姿勢を正す
2、できるだけ動く
3、履物を見直す
では、詳しく説明します。
ヒトは何時間立っていられる?
アメリカの耐久術師、デビッド・ブレインさんは、36時間立ち続けたそうです。
びっくり…!
私の経験では、脳外科手術で、最長12時間。
長時間立位のなにが辛い?
じっとしていないといけない
ただ単に「長時間、その場にじっと立っている」これほど辛いことはありません。
手術、作業中など、何かに集中している場合は“立つ意識”が軽減されますが、目的もなく、その場から動くことができないことは、苦痛です。
もたれることができない
手を置く場所、背中をもたれる場所がある、それだけで”立つ負担”が軽減されます。
どこにも寄りかかる所がない場合、脚だけで身体全体を支えなければならないので、辛くなります。
肩・腰・足が痛くなる
短時間の立位であれば、さほど痛みも気になりませんが、長時間立つことで、身体のあちこちに負荷がかかるため、痛みが生じます。
基本の立ち姿勢
なぜ、辛くなるのか?それは、不安定で疲れやすい姿勢をしているから。
まずは、基本の立ち姿勢を知り、見直しましょう。
正しい立ち方は、横からみたときに、耳からかかとまで、まっすぐになった状態。
猫背や反り腰では、身体のどこかに負荷がかかり、痛くなってしまいます。
<簡単に診断>
壁に頭・背中・かかとをつけて、立ってみてください。
・壁と腰に人握りこぶし以上の隙間があると反り腰。
・肩が密着しておらず、壁と背中の間に隙間がないと猫背。
姿勢チェック:外部リンク
私は反り腰?猫背?姿勢チェックリスト&改善方法
安定した重心の位置
最も安定した重心の位置は、「内くるぶし」といわれています。
内くるぶしの下に重心がくると、脚の筋肉や腹筋背筋の負荷バランスがよくなり、長時間でも疲れにくい姿勢を保つことができます。
内くるぶしに体重がのるイメージで立ってみましょう。
長時間立つコツ
1、姿勢を正す
2、できるだけ動く
3、履物を見直す
姿勢を正す
まずは、先ほど述べた正しい姿勢を意識することから、始めてみてください。
具体的には、足幅は肩幅くらいに広げ、つま先を30度ほど外へ開き、まっすぐ立ちます。
両肩を上げてから力を抜いてストンっと落とした状態が基本姿勢。
重心を内くるぶしにくるようイメージして、一番ラクな姿勢をとります。
できるだけ動く
<ポイント2つ>
1、足を動かす
2、軽いストレッチをする
1、足を動かす
「え…。動けない仕事」と思われるかもしれません。
脳外科医も、手術中は、基本動けません。
しかし、足だけは時々動かしています(でないと長時間もちません)
実は、立ちながら、少しでも足を動かすと、長時間立位ができるようになります。
ですので、警備員の方で、人や車を誘導するために、動けるのであれば、できるだけ移動し足を動かしましょう。
販売員の方は、店内で歩く、お客様に歩み寄るなど、できる範囲で動きましょう。
<その場から動けない仕事の場合>
・靴の中で指を動かす
・足首運動をする
靴の中で指を動かす
最も試しやすい方法です。
「足指のみを曲げて伸ばす」これを数回繰り返してみましょう。
足首運動をする
先程、安定した重心は「内くるぶし」と説明しました。
時々、その重心を「外くるぶし」「つま先」「かかと」に移動させてみましょう。
具体的には、
・足首から下を、内側・外側に傾ける
・つま先立ち・かかと立ちをする
・足首まわしをする
・交互片足立ちをする
とよいでしょう。
力の入れすぎは厳禁。身体が傾かない程度に力をこめる場所を変えます。
2、軽いストレッチをする
状況が許されるなら、スキマ時間に、軽いストレッチをするのがオススメです。
動きが少ない動作からご説明します。
<効果的な動作>
・腹筋、背筋、おしり筋締め
・バレエの足ポジション
・アキレス腱伸ばし
・背伸び
・膝屈伸
腹筋、背筋、おしり筋締め
誰にも知られずに、できる動作。
・お腹に力を入れて、へこませる(腹筋)
・肩を張って肩甲骨を寄せる(背筋)
・肛門をキュッとしめる(おしり筋)
プチ隠れ筋トレで立ち上手に。ぜひやってみてください。
バレエの足ポジション
バレエの基本姿勢ってご存知でしょうか。足ポジションが、1~5番まであります。
長時間立位に疲れたら、1番と3番の足をしてみましょう。
・1番:両足のかかとをつけ、つま先を外側へ開いたポジション
・3番:1番ポジションから足を前後に位置させる
脚全体の筋肉が緊張し、姿勢が良くなります。目指せ、姿勢美人!
アキレス腱伸ばし
準備運動のように足幅を広げる必要はありません。
肩幅くらい足が開けばOK、アキレス腱を伸ばします。
背伸び
かかとを上げて、両腕をのばし、身体全体で背伸びをすると効果的。
肩や背中の筋肉がほぐれ、肩こりの改善にもつながります。
膝を屈伸する
膝や腰の筋肉を鍛えることで、長時間立つことができます。
人目がなければ、合間に取り入れることができるとよいですね。
履物を見直す
職場の規定があるかもしれませんが、履物を変えるだけで、長時間立位が楽になります。
クッション性のある、軽量素材がオススメ。
ハイヒールならローヒールに。格好よりも疲れにくさを重視しましょう。
外部リンク
立ち仕事でも疲れにくい靴のおすすめ13選!男女別に選び方を解説!
グッズを利用する
以下で紹介する便利グッズで、長時間立っても疲れにくくなるでしょう。
腰ベルト
腰への負担が減らせます。長時間装着するので、蒸れにくタイプを。
着圧ソックス
立っているときの血行改善効果、むくみ予防の効果があります。
それでもつらいとき
大切なことは、我慢しないこと。体調の悪い日もあるでしょう。
めまいや立ちくらみがしたら、貧血、起立性低血圧、自律神経障害などの病気が隠れていることがあります。
座って休むことも大切です。職場の上司に報告、相談しましょう。
研修医の方で、清潔術衣で立つときも、上級医に手を添えてよい場所を確認し、気分が悪くなったら申し出てください。
日頃からできる取り組み
仕事の後は足が棒のよう。帰宅したら、両脚をマッサージしましょう。
長時間立位は、体力がいります。
しっかり食べて、よく寝て、体調を整えましょう。また、脱水にはお気をつけください。
まとめ
<長時間立つコツ>
1、姿勢を正す
2、できるだけ動く
・足を動かす
・軽いストレッチをする
3、履物を見直す
についてお話しました。
いますぐにできる方法なので、仕事でぜひ取り入れてみてくだい。