最近マンガばかりで、久しぶりの記事。育児と仕事の両立って、誰もが悩むカベと思うんです。
今回は、「育児中女医の当直」について、女医同士の本音トークを公開します。
★結論★
✓あなたの考え方を大切に!
✓自身をほめよう!
✓当直しない方法もありますよ!
✓本質は勤務体制にあるのでは?
育休明けの当直どう思う?
結論:考え方は人それぞれ
さっそく気になるギモンに対して、ぶっちゃけトーク。(常体語で記載)
A | 乳腺外科医、2児、大学病院常勤、当直なし |
B | 産婦人科医、1児、大学病院常勤、当直あり |
C | 美容皮膚科医、1児、転職非常勤、当直なし |
私 | 脳外科医、2児、臨床×基礎研究、近々当直 |
私は、育休明けは当直免除を申し出た。部長は、快く承諾してくれましたが、少し協力してほしいと。その結果、土曜日の日勤帯の業務を月2回引き受けることに。
金曜の手術を担当する都合上、土曜日の朝は出勤という体制だったので、日勤はムリなくできた。
しかし、ずっとこのまま当直なしというのも申し訳ないので、2人の子どもが小学生になったら当直する予定。未就学児の間は、夜間傍にいてあげたい。
私は、1児出産の時点で助教レベル。つまり中堅医という立場上、当直しない選択肢があまりなくて。産婦人科って緊急もあって忙しいので、一人だけ当直しないというのも、なので当直した。
ベビーシッターサービス利用と実母に依頼して、当直日と翌日の保育園送迎はお任せ。小1のカベもあった。子どもを任せる不安や、キツいと感じることもありましたが、おかげさまで今は講師に。
当直をしたことで、仕事へのやりがいや責任感は常にあり、周りからは一員として認めてもらえたので、キツくてもやってよかったという感はある。
私は、どうしても当直を避けたかったので、働き方を見直した。皮膚科って夜間呼ばれることは少ないけれど、子どものそばにいたい気持ちが強くて。子育てを第一に考えたら、転職もアリかなと。
ムリなく働ければそれでいいし、家庭を大事にする思いから、当直のないところで転職先を探しました。その結果、美容皮膚科が候補にあがって、非常勤なのに今は収入も上がってとても満足。
当直しないのも、自由に決めていいのでは?と思います。
私は、基礎研究の大学院生と臨床を兼務していて、復帰直後、当直もお願いできないかと言われました。申し訳なく思いながら、当直を免除してほしい旨を伝えた。
私は自分の意見を申し出るべきだと思います。(妥協案を提案されることもあるので、自分の考え「どうしたいか」「どこまで可能か」をまとめておくべき)
強制、クビ、不利な立場においやったり、疎外したり…パワハラや不当な扱いがある場合は、他の職場も検討した方がいいのかも。
ちなみに、私が当直を開始するのは、大学院生を修了し、常勤復帰するから。
※実際、強制・退職を余儀なくされた例も。
復帰に際し、病院の規定を確認しましょう。
色々な考え方があって当然だと思います。あなたの考え方を大切に!
ご自身をほめましょう!困ったら周りに相談してください。
実際はどうなのか?
2017年の報告では、子どもが乳児・幼児・学童で当直・オンコールをしている女性医師の割合は、それぞれ約40%とのこと。
その他どうしてる?体験談(外部リンク)
女性医師支援情報サイト:トピックス
こんな実際と意見も:
子育て中の女性医師も当直を男性も家事・育児を (補足:自ら当直し周りにヒアリングしている点が評価できる)
配偶者が医師って関係ある?
結論:関係あるかも?
例えば、配偶者が主夫やフリーランスで、時間的余裕があれば、女性が育児しながらも働きやすいかもしれません。
しかし、実際、女性医師の配偶者は医師が多く(約7割)、そのため、ほぼワンオペで育児をしているという女医さんは多いです。
したがって、配偶者が医師であることは、女性医師が当直業務をしにくい原因のひとつなのかもしれませんね。
ただし、女性医師の労働時間と配偶者が医師との関係は認めなかったようです。
参考:<4D6963726F736F667420576F7264202D20928691BA976C967B95B68A6D92E8> (u-tokyo.ac.jp)(補足:常勤復帰しやすい支援と体制が必要)
それぞれの配偶者は
Aさん: 医師
Bさん:医師
Cさん:他職種
私:コメディカル
夫はバリバリ臨床・当直をしており、帰宅も22時以降。自分は当直をしなくても、ほぼワンオペなので、実母に頼るところが大きい。やはり子育てしながらの、当直の負担は大きい。
夫は医師だが、何とかうまくやりくりしている。事前の準備と、外注、実母の協力、互いのコミュニケーションが大事かと。
夫は育児に協力的で当直もない。要は子育てと仕事に関する自分の考え方が大事。
夫は当直がある。私は当直をするので、夫に協力+代行依頼。
夫だけでなく、夫が頼れない場合の第三者(祖父母や外注)も検討が必要。
当直するメリット・デメリット
メリット | 一員として認められる 知識技術を生かし患者に貢献する 自己研鑽できる |
デメリット | 育児を他に任せる必要がある 身体的精神的負担がある 戦力外と思われるかも |
※当直の負担や、周りの理解にもよりますね
業務内容(病院によっては他科領域を担当することも)、コールの頻度(寝当直かどうか)、月の回数、上司の理解、独身対子持ちの対立、家庭事情(ひとり親など)
育児中女医は戦力外って思われたくないし、対立もしたくないけれど、実際はあります。
当直、オンコールの有無だけで評価されるべきではないと思います。これまでの経歴や今の仕事ぶり全体を見ていただきですね。
関連記事:育児中女医。ホントに職場の理解は得られる?実際の取り組み例
参考:<30342D938A8D65985F95B62D93E093A1E1C18B7C2E696E6464> (riwac.jp)(補足:子育て女性医師が非常勤医を選択する要因に関する研究2016)
当直しない方法も選べる
慢性期病院での勤務、健診、産業医、非常勤、アルバイトなど、当直をしない働き方も選ぶことができます。
ポイントは、どう生きたいか、仕事をどれくらいしたいか、理想を考えて、今のギャップをいかにして埋め合わせるか。
キャリア?仕事?家庭?のはざまで、葛藤も迷いも妥協もあるでしょう。あなたにとっての最適解が見つかるといいですね。
ここだけの話ですが、今キャリア相談のモニターさまを募集中です。お問い合わせに「キャリア相談」と送っていただければ、無料でご相談させていただきます。
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将来に漠然とした不安がある・とにかく話を聞いてほしいでもOK。
本質は勤務体制にあるのでは?
実際のところ、当直ってハードだからこそ、誰もが「平等でやらねばならないギム」と思いながら、日々こなしている業務です。
女性医師に限らず、男性医師も、若手も50歳代のベテラン医師であっても。
だからこそ、
・当直明けは午前で帰れるようにする
・入院担当は別医師に振り分ける
・シフト制にする
・チーム制にして代休日を設ける
・給与をよくする
などの工夫が必要で、まだまだ改善の余地があると思います。(外科では難しい側面もありますが)
当直の負担が軽減され、働きやすさが向上し、十分な対価をいただければ、協力する医師が増えるかもしれません。
医師の働き方改革は、各病院や医局の取り組みの程度に幅があり、ヒアリングや成功事例をもとにした改革が進むことを願ってやみません。
まとめ
子育て中の女性医師の当直について、まとめました。当直をしても、しなくても、納得して働くことができればいいですね。
生きているだけで100点なので、ご自身をたっぷり認めてほめましょうね。
ヒントいっぱい>>女医の働き方