- 当直は妊娠何ヵ月までできる?
- つわり時期は?
- 手術関与の程度は?
気になる妊娠中の当直業務について私の体験をお話します。
初めまして、
脳外科医さなえです。
まずはご自身の体調が第一です。その上で上司と相談しましょう。
つわり時期
私の場合、つわり症状はあったものの、幸い重度ではありませんでした。
このため通常業務を行うことができましたが、ひどいつわりがある場合や医師より安静を指示されている場合は、無理をせずに申告し免除してもらいましょう。
当直の頻度と免除時期
所属病院の当直(4回/月)は、妊娠7ヵ月目から免除されました。
外勤の当直(ほとんど呼び出しなし、4回/月)は、8ヵ月目から免除されました。
当科では、医局長(男性医師)が当直表を作成しますが、医局長が「妊娠女医に対する当直」について検討・経験したのは、私が初めてになります。
そのため、医局長(本記事の上司)の相談・判断で上記は決定されました。
実際の感想
妊娠6ヵ月の当直は無理なレベルではありませんでした。
しかし”当直はできるが、手術ができない”ので、急患できた患者さんの手術と主治医を別の医師に引き受けていただかなければならないことが、精神的に苦痛でした。
ですので、当直業務が免除されるとホッとしました。
妊娠7ヵ月では、お腹が大きくなり、当直するのがギリギリのレベルのように感じました。寝るだけの当直はできましたが、離れた病院までの運転が、ややきつかったです。
妊娠の経過は人それぞれ。
何を置いても、ご自身の体調が大事です。
妊娠後期はお腹も大きくなり、張りも出てきて動きづらいです。
無理をせず、上司に早めに相談し、免除を考慮していただきましょう。
- できるだけ迷惑をかけたくない
- なるべく当直をしてギムを全うすべき
そう思って、ガマンしてしまうかもしれません。
私も、そう思ってちょっとがんばっていたこともあります。
ただ、当直を引き受けたら、よほどのことがない限り、途中で変わってほしいことはなかなか言い出しにくい。
また、男性上司には、妊婦の体調は理解できません。
だから、妊娠中の当直が辛い場合は、言い出しにくいですが、無理は禁物ですので、正直に、できれば早めに相談しましょう。
- すみません、お時間いただきたいのですが
- 少し相談したいことがあります
と勇気を出して話しかけましょう。
母健連絡カード
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)についてご存じでしょうか。
女性労働者への指示事項を適切に事業主に伝達するためのツールです。
妊娠経過、仕事の母体や胎児への影響に不安を感じる場合は、主治医に相談し、母健連絡カードを事業主に提出するとよいでしょう。
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母健連絡カードについて|妊娠・出産をサポートする 女性にやさしい職場づくりナビ
手術への関与
当直業務は救急患者対応がメインのため、診断、治療の判断、オーダー、患者説明は通常通り行えましたが、手術になると、通常以上に他スタッフへ頼らざるを得ませんでした。
緊急手術になった場合は、大きな手術では外回りで椅子に座るか、機械出し等の介助、慢性硬膜下血腫の手術は術者または助手をしました。
血管内手術は放射線業務にあたるため、全て他スタッフが担当し、治療室の外で見学。
大事なこと
〇 体調が良ければ問題ありませんが、呼ばれない間は休息を取り、できるだけ横になる、座るなど自分でできる範囲で工夫しましょう。
〇 救急対応に際し、早めに他スタッフへ声かけをしましょう。手伝いをしていただけると、自己負担が減ります。
〇 手術を代替していただき、申し訳ない気持ちになることがほとんどでした。謙虚と感謝の気持ちで対応しましょう。
〇 手術をすることが物理的に困難となり、自分だけ見学という悲しく切ない気持ちになることもありますが、今は身体と胎児を守ることが大事と自分に言い聞かせましょう。
〇 当直が辛いときは早めに上司に相談し、回数削減や免除を考慮していただきましょう。
▼上司への報告に関してはコチラ
上司への妊娠報告いつがベスト?報告のポイント
▼育休期間・復帰後の働き方など
他にも妊娠のことで悩んでいらっしゃれば、どうぞご参考ください。