皆さまの職場に、プライベート空間やくつろげる場所は、ありますか?
・お昼ご飯を食べる場所がない
・自分の机でくつろげない
・周りの視線が常に気になる
とお悩みではありませんか?
今回は、「職場のプライベート空間」についてお話します。
職場内のレイアウトを変えるだけで、もっと快適な環境になりますよ。
え?昼食はロッカーで?
何を隠そう、私(脳外科医)の話。
以前、勤めていた病院は、医師全員がひとつの部屋に集まっていました。
机は医師ごとに割り当てられていましたが、隣の机とのしきりがなく、共同スペースとしての、食事ができる場所がなかったのです。
思い返すと、私だけではありませんでした。外来の机でランチタイムを過ごす医師も。
他の業種においても、「車内で食べている」「空いているスペースで、立ちながら食べている」ケースが、実は多いそうです。
結構ストレスフル
「くつろげない。落ち着けない」ことは、かなりストレスです。
おそらく、同じ経験があれば、共感いただけるはず。ランチタイムくらいは、一息つきたいですよね。
ロッカーに着替えに来る方もいらっしゃいますので、私は「できるだけ、パパっと食べなければ」と急いでいました。
かといって、自分の机で食べることはできませんでした。隣では、別の医師がテキストを広げて勉強しているわけで、気を遣うから。
ストレスがたまると、仕事の効率も下がってしまいます。
何が原因?
原因は、
・食事をする共有スペースがない
・プライベート空間がない
たったこれだけなんです。新しい机を用意したり、レイアウトを工夫したり、パーテーションを設けるだけ。
もし、施設管理者がいらっしゃれば、ご配慮いただきたいものです。
相談したら、よかったな…
快適なプライベート空間って?
ストレスフルなのは、「人と人との距離」が関係しています。
例えば、上司が、急に自分のすぐ近くから、話しかけてきたら、不快に感じるでしょう。
快適なプライベート空間を考えるとき、大切にしたいのがパーソナルスペース。
パーソナルスペースとは
「個人の心理的な安全が確保できる空間」のこと。
相手との距離 | 適切な相手 | |
密接距離 | 45cm未満 | 家族、恋人 |
個体距離 | 45cm以上 120cm未満 | 友人 |
社会距離 | 120cm以上 350cm未満 | 仕事関係者 |
公衆距離 | 350cm以上 | 他人同士 |
パーテーションのない、すぐ隣の机に、上司がいる。それだけで気を遣うのは、こういう距離が関係しているのです。
人によって異なる
パーソナルスペースは、人によって異なります。
例えば、男性のパーソナルスペースは縦長なため、横から話しかけるとよいそうです。女性は、どの方向にも均一なため、近すぎると思われない距離を保つのが、ポイント。
社交的な方は、パーソナルスペースが狭く、内向的であれば、広い傾向があります。
引用:パーソナルスペースと仕事|人間関係と集中力を改善するヒント|オフィスのギモン
このように、性差や性格により、適切な距離を保つよう、意識することが大事です。
オフィスレイアウトの工夫
パーソナルスペースを重視した、オフィスレイアウトの工夫を見てみましょう。
色々な場面で使い分ける
場面に応じて、適切な配置があります。
2、3人の議論、医師と患者の対話:
角を挟んで45度に向かい合う
相手を説得する、フォーマルな対談:
正面に向かい合う
ミーティング:
丸テーブルを囲む、角テーブルで横に座る
集中ブースを設ける
集中ブースは、防音に配慮した個室。オンライン会議に、周りを気にせず参加できます。
使いたい人が使えるようにするのも◎。
Muffle(マッフル)を設ける
やわらかい素材で、作業する人を優しく包み込む、マッフル。プライベート空間を与えつつ、周りからも、声をかけやすい環境が整います。
キャスターがついており、形や広さも調節できるのがポイント!
机の向きを変える
一例ですが、ある科が、医局のレイアウトをガラっと変えました。
島型レイアウトを、しきりあり個室配置へ。
互いの視線が気にならなくなり、過ごしやすそう!入局者は倍増。
通路、動線を考える
通路が狭いと、歩いてイスに身体をぶつけるかもしれません。
動線次第では、通行者の気配や視線が気になり、集中できないことも。
通路の広さや動線を見直すことも、大事でしょう。
まとめ
「職場のプライベート空間」について
・ストレスの原因は?
・快適なプライベート空間って?
・オフィスレイアウトの工夫
を、ご紹介しました。
レイアウト次第で、働きやすい職場になります。従業員が集まる、魅力的な職場作りに、ぜひ、今の環境を見直してみてください。
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