仕事は激務なのに、女医ママはどういうふうに、育児と仕事を両立させているのか?
- 女医ママの生活スタイルとは?
- 家事はどうこなしている?
- 役割分担はどうしている?
私自身が知りたかったことなので、女医ママ7人にインタビューしました。
この記事を読めば、日常生活における工夫がわかり、育児をしながら自分らしく働くヒントを得られます。
<結論:必須武器>
協力者と時短家事
<ポイント:両立の工夫>
1.家族・第三者に頼む
2.朝活or夜活で、家事を済ます
3.夫との役割分担を明確にする
4.休日は子どもに向き合う
先輩女医ママ体験談
産婦人科医A
卒後21年目。子ども5歳。夫医師。
大学病院助教。フルタイム当直あり。
業務:外来。出産医療処置、手術。
平日 | 保育園への見送りは自分 迎えと緊急呼び出しの対応は祖母 子どもの食事・入浴は主に祖母 自分・夫の帰宅でバトンタッチ 出産・手術で帰宅が遅くなる |
土日 | 土曜日午前は出勤し患者回診 日曜日フリー |
- 夕食・掃除は家事代行に依頼。
- 朝食はパン、ヨーグルトで固定。
- 土日で時間がある時は、子どもにつきあう。
- 保育園のイベント(土曜日)には参加する。
育休復帰後の当直はしばらくの間免除されましたが、職場のポジション上、やはり当直をしないわけにはいかないと思いました。
手術を担当すると責務は大きいですが、忙しくも楽しい日々です。
ただ、祖母の協力が欠かせない。
育児もないがしろにしない。時間は限られますが、一緒に過ごすときは楽しむのがポイントです。
基礎研究医B
卒後25年目。子ども高校生、大学生。夫開業医。
大学病院助教。
業務:実験・論文執筆。
平日 | 全員のお弁当を朝手作り 夜遅くまで研究している 木曜日(夫休診)は夫に任せる |
土日 | 必要な実験を行うため研究室へ |
- 朝活。研究医のため、時間の都合はつけやすい。
- 帰宅が遅くなっても大丈夫な様に、朝に夕食までの料理を済ます。
私も、子どもが小さい時は、大変でした。育休半年で復帰、子どもが小学生卒業までベビーシッターを利用しました。信頼できる方だったので助かりました。
仕事を究めるためには、外部リソースに頼るしかないと思います。
麻酔科医C
卒後12年目。子ども1歳、3歳。
夫コメディカル。
大学病院助教。フルタイム当直あり。
業務:手術の麻酔。
(救急や心臓血管外科を含む)
平日 | 保育園への見送り・ 緊急呼び出しの対応は夫 定時終了、迎えは自分 |
土日 | フリー |
- 朝は時間がないので、朝は夫担当、夜は自分担当にしている。
- 夜に家事を済ませる。
- 昼はお弁当を買う。
- 夕食はミールキットを活用。
- 子どもが風邪で休園の時は、自分と夫が交代して仕事を休む。
まだ手探り状態ですが、夫に頼れる部分が大きいので、当直をしています。
麻酔科医D
卒後18年目。子ども4歳、6歳、8歳。夫医師。
大学病院助教。フルタイム当直なし。
業務:手術麻酔。ペインクリニック。
平日 | ほぼワンオペ 保育園への送迎・ 緊急呼び出しの対応は自分 |
土日 | フリー 子どもの習い事の送迎 |
- 作り置き:土日に夫が子どもの世話をしている間に、一週間分の献立を考え、まとめて作る。
- 買い出し:週末に一週間分購入。
- 掃除:週末にしている。
朝は時間がなく、朝食は固定化。作り置きのおかげで、夕食は、メインを作る(焼く・煮るの簡単調理)のみです。
乳腺外科医E
卒後12年目。子ども3歳、7歳。夫医師。
大学病院助教。フルタイム当直なし。
業務:外来、手術。
平日 | 保育園への見送りは夫 迎えは自分 緊急呼び出しの対応は祖母 時々手術で帰宅が遅くなる |
土日 | 土曜日午前は出勤し患者回診 日曜日フリー |
- 朝より夜の方が余裕あり、夜に家事をまとめて行っている。
- 朝は、夕食の材料の下準備(カット)のみ行っている。
- その他冷凍品利用。
- 土日は子どもを外へ連れ出すようにしている。
仕事も育児も大事。手術を継続させたい思いから、夫や祖母に頼りながら、忙しくも充実した毎日を送っています。
皮膚科医F
卒後12年目。子ども1歳、3歳、6歳。夫コメディカル。
育休明けで地方病院時短勤務。
業務:外来。入院患者対応。
平日 | 保育園への送迎・ 緊急呼び出しの対応は自分 |
土日 | フリー |
- 夫にも料理・家事をしてもらう。
- 自分・夫の役割分担を決める。
- 無理な時は伝え、協力し合う。
夫は協力的であるが、自分も子育てを優先させたい思いから、できるだけ家庭中心の生活スタイルを送っています。
仕事はなるべく途切れさせないように、外来を継続しています。
将来的に開業を考えています。
腎臓内科医G
卒後14年目。子ども3歳、7歳。夫医師。
転職し、週3回の非常勤務。
業務:外来、透析の管理。
平日 | 保育園への送迎は自分 緊急呼び出しの対応は祖母 定時に終了可 |
土日 | フリー |
- 平日の勤務を各日にすることで、育児への余裕ができる。
- 夫は忙しく頼れないので、子どもが風邪で休園となり、自分の都合がつかない場合は、祖母またはファミリーサポートに頼む。
育児に重点を置きたいと思い、転職しました。
転職後の仕事は、ゆとりがあり私に合っている。
ただ、緊急時にすぐに代わりを頼めないので、周囲のサポートは必須です。
育児と仕事を両立させる工夫
女医ママの体験談より、みえてきたポイントをまとめます。
- 家族・第三者に頼む。
- 朝活or夜活で、家事を済ます。
- 夫との役割分担を明確にする。
- 休日は、子どもに向き合う。
家族・第三者に頼む
夫以外に、祖父母や第三者のヘルプが必要なことも。
外来・手術など仕事で遅くなることが予めわかっている場合は、前もって家族・他者に頼んでおく。
ファミリーサポート・ベビーシッター・家事代行(ミニメイド・サービス・【タスカジ】)を依頼しているケースも多い。
▼外部リンク▼
◎詳しくわかりやすい!
家事代行サービスの比較|るるまま
ファミリーサポートとは?ベビーシッターとの違いやサービスの特徴
朝活or夜活で家事を済ます
基本的に子どもが起きている間は、家事ができず、自分の時間を持てない。
診療科により、生活リズムを把握し、朝または夜のひとり時間を活用している。
例えば、麻酔科は朝が早いので夜活になる。夜遅くまで行う研究職は朝活になる。
そして、家事時短術は、
・様々な電化製品に頼る
・朝食は、メニューを決めた固定化が多い
・夕食は、ミールキットを利用したり、作り置きをしたり、下準備をしたり色々
★素材にこだわる場合オススメ★
らでぃっしゅぼーやのおためしセット
ただし、食事の準備方法は、自分に合う・合わないがあります。
例えば、私は週末の作り置きをやってみましたが、自分には合いませんでした。
先輩の工夫が、必ずしも自分に合うとは限らないので、
参考にしながらも、自分に合う方法を探す必要がありますね。
ちなみに、私はこうしています。
- 圧力鍋・食洗器・ドラム式洗濯乾燥機を駆使
- 朝活で昼のお弁当・夕食の下準備を済ませる
- 夕食は、主にカレー・ハンバーグ
- 基本ワンプレートごはん
(皿洗い削減)
▼外部リンク▼
ワーキングマザーのための時短術
夫との役割分担を明確にする
共働きで、できるだけ家事・育児を公平に分担するのが理想だが、実際は夫に頼れない場合が多いよう。
夫婦で話し合い、保育園の送迎担当・家事分担(食事・洗濯・掃除)を決めている。
当直あり勤務の場合、当直の日は、夫が育児・家事担当になるので、それができるよう日頃から努力している。
夫が激務な医師で、平日の育児・家事を妻に任せている場合、休日は夫が家事・育児を担当する。
夫婦でスケジュールをシェアし、お互い助け合う工夫をしている。
休日は子どもにとことん向き合う
平日は、子どもと過ごす時間は限られる。
その分、休日は、子どもとの時間をとり、思いきり遊ぶ、楽しむ。
自分らしく働くプロセス
Step1 したい仕事・なりたい自分を決める
つまり、子育てと仕事のバランスや考え方。
最大限ここを掘り下げ、よく考える。
- 何が目標で、どう働きたいか
- 具体的な働き方・勤務先
- 当直の有無
- 妥協してもよいポイントはどこか(育児のため、全てが思い通りにいくとは限らないので)
選択肢に迷ったら、詳細にメリット・デメリットを書き出し比較する。家族と相談する。
例えば、私の場合は、大学院生になることで、手術ができないこと・収入がないことがデメリットであり、ここを妥協している。
でも、子育てをある程度優先できる環境、学位を目指せるというメリットがあり、納得のいく毎日を送れている。
Step2 協力者を決める
- 家族にどの程度頼れるか。
- 保育園の送迎・緊急時の対応は誰がするか。
- ファミリーサポート・ベビーシッター・家事代行は利用するか。
Step3 やってみる
実際やってみて、無理がないか判断する。
難しければ、軌道修正。Step1、2に戻る。
Step4 継続する
家庭環境の変化があれば、Step1に戻る。
継続がどうしても無理な場合は、働き方の変更・転職も視野に入れる。
相談できるところ
家族、周囲女医ママ、コミュニティSNS以外にも相談窓口がある。
利用できる支援制度
日本医師会の下記サイトでは、産休育休の制度、看護休暇、女医復帰後の働き方に関する制度を参照できる。
▼外部リンク▼
日本医師会女性医師支援センター
日本医師会女性医師バンクは、厚生労働省の指定を受けた無料職業紹介事業。自分に合った職場の探すサポートを行っている。研修も併せて行えるのがメリット。
▼相談窓口▼
日本医師会女性医師バンク | 医師のための無料求人紹介・相談窓口
医師専門転職サービス
民間企業で転職を検討する場合。担当のコーディネーターと相談しながら、雇用先の紹介を受けることができる。
まとめ
先輩女医ママの体験談をもとに、育児と仕事の両立ができる条件・ポイントを整理しました。
ぜひ取り入れてみてください。