皆さま、育児お疲れ様です。脳外科医さなえと申します。
子育て中の方なら、誰しも一度は、
子育てがしんどい、もう限界…
イライラし、子どもにあたってしまった…
という経験があるのではないでしょうか。
実は、これは脳科学的に自然のことなのです。脳のせいだから。
今回は、2歳のかんしゃくとイライラする原因を脳科学的に説明し、効果的な対処法をお話します。
- イライラする原因は脳のせい
- 脳科学的に効果的な対処法
- 効果アリな私の対処法
では、スタート。
なぜイライラするか
- 自分の脳のせい
- 子どもの脳のせい
なんです。解説します。
自分の脳のせい
脳のしくみ
▲私の書いたイラストをご覧ください。
子どもがふざけて、わざと水をこぼしたとします。親がカチン!ときて、イライラするのは、感情や本能をつかさどる大脳辺縁系が突発的に働くからです。
そこで、怒ってはダメだよと感情をコントロールし指令を出すのが、思考や理性の制御をつかさどる前頭葉です。
前頭葉の「ストップ!」という指令が効くと怒りを抑えられるのですが、ちょっとタイムラグがあります。
5秒くらいしてから、前頭葉の指令が届くのです。
さらに、自分自身の疲労で余裕がないときは、イライラが頂点に達して、抑制がきかなくなります。
イライラするのは脳のせいなのですね。
幸福ホルモン・ストレスホルモン
幸福ホルモン、ストレスホルモンをご存知でしょうか。
幸福ホルモンは、セロトニンやオキシトシン。例えばセロトニンが少ないとうつ病になりやすい。
ストレスホルモンは、コルチゾールなど。ストレス刺激で、体内にストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは体にとって必須のホルモンですが、不眠・うつなど悪影響も及ぼします。
つまり、これらのホルモンもイライラに関与します。
子どもの脳のせい
子どもがグズったり、わめいたりして自分勝手な行動をとるから、怒りの感情がわくのですよね。
なぜ、子どもは、グズりわめいてしまうか。
それは、前頭葉がまだ未発達だからです。感情をうまく制御できないのです。
また、言葉も未発達なため、自分の意見をうまく言えません。
したいのに、できない。思う通りにいかない。感情が思いのままに出てしまう。これは、未発達な脳のせいなのです。
また、前提として生理的欲求が満たされていないと、グズります。
例えば、眠たいとき、お腹が空いているときは、自己制御できずにグズります。
具体的な対処法
では、どうすればよいのか。
- 5秒をかせぐ
- 幸福ホルモンを増やす
- 要求を満たす
5秒をかせぐ
先ほど、前頭葉の指令が効くまで、5秒くらいかかるとお話しました。
ですので、『この5秒間の時間を稼ぐ』ことがカギになります。
具体的には
- 5秒数える
- 深呼吸する
- 水を飲む
- その場を離れる
などです。
この中で、子ども相手にできる対処法としては、深呼吸、特に、息を長ーーーく吐き切る!というのが、効果的です。
あとから存じましたが、子育てアドバイザー・現役保育士のてぃ先生が効果的な方法として紹介しているようです。
(お墨付きの方法ですね!)
息を吐くことは、大声を出さないことにつながるだけでなく、副交感神経が優位になり、気持ちが落ち着くのにも有効です。
▼閑話休題。
怒りたくなったら、息を長く吐くのがいいよという、可愛いユニコーンのお話。
幸福ホルモンを増やす
イライラを抑えるためには、幸福ホルモンがカギになります。
つまりはセロトニンとオキシトシンを増やせばいいわけです。
<セロトニンを増やす方法>
・規則正しい生活をする
・しっかり睡眠をとる
・湯船にゆっくりつかり体を温める
・適度な運動をする
<オキシトシンを増やす方法>
・子どもを抱きしめる
・家族とよく話す
・思っていることを素直に言う
などです。イライラしたときには、ぜひお試しください。
要求を満たす
子どものグズりの原因が眠たい、空腹などの場合、その要求を満たすことで収まります。
ただ、「子どもが生理的要求でグズっている」ことを親が見極めねばなりません。
また、こだわりが強く、自分の思いを通したい場合もあります。
我が家の例)
ある日、2歳が寝起きにハンパなくグズりました。
きっと空腹だからとイスに座らせました。でも、飲まない食べない。
「イヤー」の一点張りで出したもの拒否。そして突然「ハンバーガーたべる」と言い出しました。
仕方なく、冷凍ハンバーグをチンして食パンにはさんで出すと、はじめ「ちがうー」とかギャーギャー言い泣きながら食べていましたが、
牛乳を一気飲みしたあたりから、急に「おいしい」と言い、全部食べました。その後は超ゴキゲンさんで。
だから、できる範囲で、子どもの要求を満たすことも解決につながります。
効果アリな私の対処法
5秒待つ方法が、私はうまくいかなかった…
そこで、私が試して効果があった方法をご紹介します。
- そのまま叫ぶ
(ただし言い方に工夫が必要) - 共感しまくる
- 泣きたい時は泣く
- とにかく自分をほめる
そのまま叫ぶ+α
5秒が待てない
⇒ガマンできない!
⇒だから困ってしまう
そこで、言いたい言葉をそのまま叫ぶことにしました。
「何なのよ!!もうっ、いい加減にしなさい!!」と言っちゃっていいのです。
えっ?てね。
私はもうガマンできないとき、言います。というか、思わず言ってしまうんです。
ただし、「何なのよ!!もうっ、いい加減にしなさい!!」
の後に、説明のひとことを言うことが大事になります。(ここポイント!)
「あ、ママ怒ってないからね!これ、自分に言っているだけなの!」
あるいは、「もうっ、いい加減にしなさい!なーんちゃって!」と言うのです。
そして、ぎゅーっと子どもを抱きしめる。前述した「オキシトシン」を分泌させます。
これで怒りが収まることがあります。
共感しまくる
「うん、うん、すごーく、わかるよ!」
「そっかそっか、〇〇したいんだよね、△△したくないんだよね」
子どもの気持ちを言語化して、寄り添います。
その上で「ごめんね、でもママはこうしてほしい」「ガマンさせたね」などとフォローし、さらにハグを加えると効果的です。
先日、こんなことがありました。
ワンオペにて2児と3人でお風呂に入りました。
上の子を浴槽に入れ、私と下の子が先に脱衣所に出ました。
するともうギャン泣きのピーピーで
「ママ(浴槽に)入ってーー!」連呼
仕方なく下の子と浴槽へ入ると
「イヤーーママだけーー!!」と
無理な要求だったので切り上げ、先に下の子を拭くと、怒り泣き口調で激しく「ママ入って!」
下の子を着替えさせ脱衣所に置こうと思うと
…下がギャン泣きになる。
仕方なく上の子をあげました。
タオルで包んで抱きしめながら、
「ごめんね。今日はママひとりなの
今度ゆっくりふたりで入ろう。
一緒にゆっくり入りたかったね」
と言いました。
すると泣きじゃくりながら
「うん、ママに(保育園でした)体操の話したかった」と
「うんうん、体操の話聞かせて」ハグ続行
…そのあと、落ち着きました。
共感、ハグ、が大事なようです。
泣きたいときは、泣く
自分が疲労して限界のときに、子どもが泣きわめいて、もうどうしようもないとき、泣いてもいいのではと思います。
すると、子どもが、ママどうしたの?となることがあります。
「ちょっと悲しいことがあって…ごめんね」
泣くと、なんだかスッキリします。休憩したら元気復活、また子どもに向き合えます。
とにかく自分をほめる
子育てって、自分がギセイになる側面がありますよね。
ある日は、子どもにつきっきりで、ろくに食事もとれずに、トイレもなかなか行けずに、髪の毛を振り乱して子育てで一日終了。
自分を認めて、ほめるべきです。
さらに、子どもにあたることがなければ、「あー今日は一日、怒らなかった!」とご自分をほめましょう。
最近、怒っていない!
私、何とかなっている!
この『自分をほめる』を毎日続けていると、もう、怒らなくなりました。
ご褒美のお菓子を自分に与えすぎて、太ってしまいましたが!(涙)
まとめ
以上、子どもにイライラする原因・対処法についてお話しました。
<脳科学的に効果的な対処法>
- 5秒をかせぐ
- 幸福ホルモンを増やす
- 要求を満たす
<効果アリな私の対処法>
- そのまま叫ぶ+α
- 共感しまくる
- 泣きたい時は泣く
- とにかく自分をほめる
一度試してみて、ご自分に合う対処法を見つけてください。
日々トライアンドエラーです。きっと、変われます。
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ワンオペ2人育児のコツとは?うまくいった日のスケジュール公開
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