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育児

男性医師が育休を考えたら|メリットと注意点。いつ・どれくらい取る?

「男性の育児休業(育休)が広まればいいな」という思いで、脳外科医ママ(夫育休経験者)が書いた記事です。

  • 育休を取ってみようかな?
    と考え中の男性医師
  • 男性医師が配偶者の方
  • 初めて育休申請を受けた上司の方

にぜひご参考いただければと思います。

育休取得のメリット

自身・家族・職場にメリットがあります!

1、自身にメリット

・赤ちゃんと濃密な時間を過ごせる
・家事・育児の当事者となる
・視野が広がる
・キャリアについて見直せる

赤ちゃんと濃密な時間を過ごせる

夫がこどもを抱き上げる

育休の最大のメリットではないでしょうか。

赤ちゃんと密に過ごせる貴重な時間。「はじめてできた!」が見られるかもしれません。

仕事はいつでもできますが、赤ちゃんの時期は今だけ。

もちろん、育児の大変さも知るでしょう。それも含めて、かわいい我が子と楽しく過ごしてください。

家事・育児の当事者となる

仕事がハードゆえに、仕事一筋の男性医師もいらっしゃるでしょう。

育休中は、家事と育児を実際に経験することで、何をすればいいかがわかり、スキルが身につきます。

実際、育休中にお弁当や離乳食作りに挑戦し、料理ができるようになった方もいらっしゃいます。

視野が広がる

育休中、地域の方や、同じように子育て中のパパ・ママと交流する機会があれば、視野が広がり、育児の学びがあるでしょう。

悩みを相談するのもいいですね。

自身のキャリアについて見直せる

一定期間仕事から離れることで、自身のキャリアを見直すきっかけになるでしょう。

その他にも、保育園活動を行ったり、資格を取得したり、マネープランを見直したり、育休中にできることは多くあります。

関連記事:【女医の育休】育休中にやるべきこと・やってよかったことまとめ

2、家族にメリット

・ママが助かる
・夫婦仲がよくなる
・子どももうれしい
・ママのキャリアにも貢献する

ママが助かる

ありがとうの言葉

産後のカラダは、ズタボロです。回復のままならない状態で、待ったなしの育児が始まります。

そんなときに、パパが家事・育児をしてくれることは、とてもありがたい。

ママに少しでも休息の時間を与えたり、兄弟がいれば別々に行動したり、パパの戦力は偉大です。

夫婦仲がよくなる

家事・育児内容を理解するため、今後、夫婦の協力体制が生まれます。

大変さを知るため、相手に感謝することができます。

時間があるときに、家事・育児を率先して行うことで、夫婦仲もよくなるでしょう。

子どももうれしい

まだ、小さい赤ちゃんでも、5感は敏感。確実に脳は刺激を受け、成長しています。

パパがそばにいることを感じ、喜ぶはず

育休を取得しない場合でも、我が子にたくさん触れ合ってくださいね。

ママのキャリアにも貢献する

約7割の女性が、第一子出産後も就業を継続しています。

パパが育休をとることで、ママが働くこともできるのです。

実際、私はバトンタッチ育休(夫婦別々に育休を取得)したおかげで、短期復帰がかないました。

育休を取得する際には、いつ・どのくらい取るか、家族で話し合いましょう。

関連記事:【実体験】バトンタッチ育休のリアル。具体的に何をする?

3、職場にメリット

・生産性があがる
・後輩も育休を取得しやすい
・助成金がもらえる

生産性があがる

育休をとることで、育児に対する考え方や姿勢が変わるかもしれません。家族を大切にしたい思いも強くなるでしょう。

仕事をいかに効率よく済ませるか、考え行動するので、生産性があがります。

休業中お世話になった分、できる仕事を率先すれば、助け合いの精神が生まれます。

このように、職場にもメリットがあります。

後輩も育休が取得しやすい

育休取得率が低い理由のひとつに、「前例がない」ことがあげられます。

男性育休経験者が職場にいれば、後輩も育休が取得しやすく、育児の相談もしやすいでしょう。

助成金がもらえる

中小企業事業主を対象に、出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)という、男性育休を対象とした助成金を支給する制度があります。

令和4年度両立支援等助成金リーフレット

デメリットはある?

このようにメリットの多い育休ですが、デメリットも確認しておきましょう。

他の医師に迷惑がかかる

休業中は、今までの仕事を他の医師が引き継ぎます。

欠員を補充できなければ、当直・オンコールの回数も増えるので、やはり周囲への負担は避けられません。

ですので、謙虚な姿勢で感謝しましょう。

激務では周囲へ遠慮してしまい、育休と申し出るのさえ、ためらわれますよね。

医師増員や労働環境、報酬の改善などが実現しない限り、この問題は続くと思われますので、上司には「相談」というかたちで、希望を伝えてみましょう。

仕事のブランクができる

休業に伴い、仕事のブランクができますが、数週~数ヵ月では、元に戻せると考えます。

実際、2年間基礎研究で留学後、臨床復帰された先輩は、「手術は、ある程度手が覚えている。わりと問題なかった」とおっしゃいました。その後、新たなサブスペシャリティも取得し、多くの執刀を担当されています。

いつ・どれくらい取るか

配偶者の出産予定日から子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで取得できます。

詳しい内容は、基礎知識男性医師の育休取得率が低い理由。をご覧ください。

参考までに、令和3年度の男性育休期間は、2週間未満が約5割。1ヵ月~3ヵ月が約25%。

育休取得時期は、子の出生後8週間以内が最多です(46.4%)。

出典:厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」
000851662.pdf (mhlw.go.jp)

厚生労働省「仕事と育児の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書」
0000174276_1.pdf (mhlw.go.jp)

体験談

実際の男性医師の体験談をみてみましょう。参考になるところが、きっとあるはずです。

◆腎臓内科おちば医師
【男性医師の育休】男性医師が育休を取得する5つのメリット

◆呼吸器内科キュート医師
【体験談】男性医師でも育休は取れる!育休取得したお医者さんにインタビュー

◆脳神経外科医岩楯医師
脳神経外科速報32(6) 803- 807, 2022.に体験談あり。

私が本記事を書こうと決めたほど、感銘を受けました。育休をお考えの男性医師の方にぜひ、ご一読いただきたいです。

注意点

・早めに申し出る
・引継ぎをしっかり行う

早めに申し出る

育休の申請は、休業開始予定日の1ヵ月前(産後パパ育休は、休業の2週間前)までに行います。

参考:基礎知識男性医師の育休取得率が低い理由。問題点と解決策

育休の取得を考えたら、引継ぎや人事配置の都合から、早めに申し出るのが望ましいでしょう。

引継ぎをしっかり行う

入院・外来の担当患者や業務内容について、代理を務める医師に、申し送りをします。

患者さんにも、ひとことお伝えできるとよいですね。最終日は、周囲への挨拶を忘れずに。

もしも不当な扱いを受けたら

・育休を取れないといわれた
・不当な人事や退職をつげられた

万一、難色を示され、不当な扱いを受けるようであれば、取得を見送るか、転職を考えるかのどちらかになります。

ブラックな場所で働き続けるより、転職が無難かもしれません。

関連記事:医局がブラックすぎる。過酷な勤務をやめたい

相談窓口

都道府県労働局に、育児休業制度などの相談窓口が設けられていますので、ご利用ください。

育児休業制度等相談窓口、改正育児・介護休業法説明会、男性の育児休業取得促進等に関するセミナーについて|厚生労働省

育休が取れない、ハラスメントに対する相談が無料でできます。

総合労働相談コーナーのご案内|厚生労働省

まとめ

男性育休のメリット・注意点についてお話しました。

男性育休取得は、ご自身・家庭・職場において、きっとプラスになると考えます。

後輩も続けば、お互いが助け合う職場に。

前例がなくても、勇気ある一歩から、踏み出してみませんか。

▼女医の私の例ですが、ご参考まで
【女医の育休】育休中にやるべきこと・やってよかったことまとめ

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さなえ
さなえ
2、4歳児の脳外科医ママ。 女医の妊娠、育児に関する悩み、経験を共有し、解決法や楽しくできる工夫を発信しています。
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