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脳神経外科

【脳神経血管内治療専門医試験】筆記試験の対策すべきことまとめ

私は、筆記試験は一度で合格しましたが、口頭・実技試験は数回不合格を経験し、最終合格しました。

今回は、筆記試験対策をまとめます。いち個人の体験談としてご参照ください。

試験概要

筆記試験

午前75題/2時間
午後75題/2時間
合計150題

口頭・実技試験(筆記合格者)

3関門、各20分
A関門:症例に対する口頭試問
B関門:器材実技
C関門:Eveを用いた手技

過去問は公開されていません。

周りに勉強会グループがあれば、是非参加しましょう。

試験の詳細は、脳血管内治療学会ホームページよりご確認ください。

筆記試験対策法

筆記試験体験談や対策法については、本記事だけではなく、脳神経外科速報の毎年1月号に特集があります。

数名の医師から体験談が紹介されていますので、そちらもご参照ください。

具体的な勉強法

私がやったことは下記です。

・過去の参考問題を繰り返す
・暗記事項のまとめノートを作成する
・最新のエビデンスをおさえる
・治療ガイドラインをおさえる
・各種デバイス添付文書

過去の参考問題を繰り返す

まず、試験内容を理解します。

主要な分野はコチラです。
・血管解剖
・診断脳血管造影
・血栓回収療法
・未破裂脳動脈瘤
・破裂脳動脈瘤
・脳動脈奇形
・硬膜動静脈瘻
・腫瘍塞栓

各々のエビデンス・診断・治療について詳細をおさえる必要があります。

問題を解いて、わからないことは調べて追記し覚えます。

枝葉を広げていく感じで、関連事項を勉強すると効率的です。そうすれば、選択肢を少し変えた問題が出ても正答できます。

暗記事項のまとめノートを作成

iPadやスライドにしてまとめる医師もいらっしゃいます。

私はアナログ派で、専用ノートを作成しました。まとめたものを、試験1ヵ月前~直前に暗記しました。

私のまとめノート
私のまとめノート

こんな感じで、分野ごとにまとめ、覚えるべきポイントを書き込みました。

▼脳卒中ポイントを少しずつまとめています

おさえておきたい脳卒中ポイントまとめPart1

おさえておきたい脳卒中ポイントまとめPart2

おさえておきたい脳卒中ポイントまとめPart3

おさえておきたい脳卒中ポイントまとめPart4

最新のエビデンスをおさえる

CEP(Continuing Education Program)は必須、役立つ内容が多いです。

各分野の最新エビデンスも要点をおさえています。CEPを参考に主要なエビデンスをおさえられるとよいと思います。

東京脳卒中の血管内治療セミナーも参考になります。最新論文をピックアップし、日本語でまとめられています。

治療ガイドラインをおさえる

血管内治療をする上で、ガイドラインは遵守です。

主におさえるべきは、

脳卒中治療ガイドライン2021

・静注血栓溶解(rt-PA)療法 適正治療指針 第3版

脳卒中治療ガイドライン (jsts.gr.jp)

・経皮経管的脳血栓回収用機器 適正使用指針 第4版

noukessen_4.pdf (jsts.gr.jp)

・頭蓋内動脈ステント(動脈硬化症用)適正使用指針

zugainai.pdf (jsts.gr.jp)

・頭蓋内動脈ステント(脳動脈瘤治療用Flow Diverter)適正使用指針 第3版

FD適正使用指針 FIN3 (jsts.gr.jp)

▼いずれも脳卒中学会のホームページから参照・ダウンロードできます

ガイドライン・各種指針・手引き・推奨 | 日本脳卒中学会 – The Japan Stroke Society (jsts.gr.jp)

各種デバイス添付文書

例えば、脳動脈瘤治療用ステント、コイル、パイプライン、血栓吸引デバイス、ステントリトリバー、頸動脈ステント、遠位血栓予防フィルターなどです。

それらの、適応・禁忌事項・デバイスの特徴・材質などを覚える必要があります。

ネックになるdAVF勉強法

硬膜動静脈瘻dAVF(dural arteriovenous fistula)は経験数が少ないと難しく、苦手意識が芽生える分野です。

しかし試験では必ず出ます。

病院でdAVFを経験した際は、

・どう診断アンギオをしたか、アングルは
・アンギオが読めるか
・解剖学的に位置関係が把握できるか
・シャントポイントはどこか
・治療はどのようにしたか
・デバイスは何を使ったか
・どうアプローチしたか
・その方法で無理な場合の別の方法は

を復習し、コア画像をノートに貼り、血管の名称・治療の詳細を書き入れました。

使用した参考書一覧

『臨床のための脳局所解剖学』

申し訳ございませんが、今は取り扱いがございません。

『脳神経外科速報』

分野ごとによくまとまっており、キーポイントが凝縮されています。

数問ですが、例題と解答が載っています。おさえておきましょう。

2023年以降の受験は最新年度の1月号(血管内治療専門医の特集)もご参照ください。

『CEP』

毎年、脳神経血管内治療学会で開催される講義になります。テキストは講義内容をまとめており、ポイントがわかりやすく解説されています。

受験生はほとんど受講していると心得ましょう。

『パーフェクトマスター脳血管内治療』

血管内治療のことは、たいてい本書で調べれば解説されている!というくらい詳しく、受験生必携書。

試験に合格された先輩方も、本書で勉強されたとうかがいました。

『改訂2版「超」入門 脳血管内治療』

治療の実際を対話形式で解説しており、とてもわかりやすいです。2次試験の口頭試問対策としても利用できます。

『血管内治療のための血管解剖、外頸動脈』

脳血管造影検査の外頸動脈を把握するには本書が最適です。コアな脳血管造影画像が多数あり、細かな血管にも、何の動脈か指示しています。

『血管内治療のための血管解剖、脳静脈』と合わせて、血管解剖を勉強するのに役立ちました。

『硬膜動静脈瘻のすべて』

申し訳ございませんが、現在取り扱いがございません。

『東京脳卒中の血管内治療セミナー(TSNETS)』の テキスト

こちらは最新の論文がまとめられており、最新トピックをおさえるという意味で使用しました。

『脳卒中治療ガイドライン2021』

概要はおさえるようにしました。

『脳血管内治療トラブルシューティング』

脳虚血編と脳動脈瘤編があります。先輩より、口頭試問対策にオススメされた参考書です。

主には口頭試験対策用ですが、筆記試験にも役立つ点があるので、こちらにも載せました。

まとめ

脳神経血管内治療の筆記試験についてまとめました。

▼口頭・実技試験対策に関してはコチラ
【脳神経血管内治療専門医試験】口頭・実技試験の不合格は何が原因?一発合格するための対策まとめ

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さなえ
さなえ
2、4歳児の脳外科医ママ。 女医の妊娠、育児に関する悩み、経験を共有し、解決法や楽しくできる工夫を発信しています。
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