脳外科はハードなときがあり、誰しも一度は挫折しそうになるかもしれません。
筆者(脳外科女医)は、脳と神経が大好き!そんな私でも、過去3回やめたいと強烈に思ったことがあります。
今回は、脳外科医をやめたいと思ったときの対処法をお伝えします。
私の体験談
私(プロフィール)は、やめたい・キツイ、そう思ったとしても、脳外科を選択したことに後悔はないんです。原点は脳が好きだから。ただ、3回はキツかった…。
1、後期研修医
2、関連病院修練中
3、妊娠期間
1、後期研修医
やる気マンマンなのに、慣れない・できない・雑用多い。1日中立ちっぱなしなのに、患者さんのことで手いっぱい。
手術手技はまだまだ未熟。なりたい自分には程遠い…と次第に疲弊していきました。
そんな過去の自分に言いたい。
大丈夫、つらいときもあるけれど、慣れればできる。手術ができるようになれば、楽しくなり、やりがいを感じる。
できるようになるには、時間がかかるもの。ぜひ、やり方を工夫して効率よく!貪欲に学び、自分のものにしていこう。
2、関連病院修練中
環境が劣悪だったから。脳外科自体は悪くなく、血管内治療において成長できた時期。
ただ主治医30人以上、365日オンコール、多い当直がずーんと重かった時期。
この頃、今の夫と交際中であり、本当に救われました。彼の支えがモチベーションにつながり、乗り越えられたのです。
だから、プライベートも大切にして。
3、妊娠期間
当直して主治医になるが、他の医師が手術をする。治療に参加したいのにできない。周りに気を遣って精神的につらい時期でした。
出産後の復帰時期が一番つらかったと話す先輩もいらっしゃいます。
私自身は、大学院生になりブログも開始。
ブランクができたことは最大のデメリットですが、恩恵をたくさん受けました。
ベテラン医師の例
ベテラン医師でも、時に、きつい・やめたいと思うことがあります。それは、重大なミスをしたとき。
ある血管内治療指導医が、未破裂動脈瘤の治療で若い患者さんを失った経験をしました。
技術も人柄も尊敬できるすご腕ドクターですが、この時ばかりは落ち込みが激しかった。患者さんとは信頼関係が築けており、トラブルはなし。
精神的につらい時期を乗り越え、さらなる修練を積み、今は第一線で活躍されています。
このように、想定外のことに対し、あらゆる手をつくしても取り返せないことが起こりうる。脳外科に限ったことではありませんが、責任の重さを再認識させられる事例です。
対処法
まずは少し休んで
体調を崩し、悩みすぎてストレスがたまっている、そんなときは休息が必要。
睡眠を確保し、脳も心も休めてください。
楽しみをみつけて
振り返ると、つらい思い出ばかりではなく、あなたにとってプラスの経験もあったはず。感動したことを思い出してみてください。
また、生きがいは仕事だけではありません。趣味や楽しみは?たまには美味しい外食を。
気分転換し、ガマンしていることがあれば吐き出して。
原因を洗い出して
なぜ、やめたいのか?
・職場の環境?
・仕事内容?ブラック医局?
・できないつらさ?
・人間関係?上司が理不尽?
・キャリアに悩む?
・妊娠・育児の兼ね合い?
書き出してみると、考えを整理できます。
勤務体制はなかなか改善しませんね。頼れる上司・先輩、家族と相談してみてください。
目標を描いて
どうしたら、やめずに続けようと思えるか?目標を描いてみてください。
・専門医取得を目指す
・専門医の技術を磨く
・新たなサブスペシャリティを選ぶ
・学位をとる
・留学をする
続けるには何がベストか
その目標を実現するためには、今の職場にいる必要があるか?環境を変えても大丈夫か?
例えば、専門医取得を目指すなら、多少ガマンしてでも医局で研修を続けるべきか?
留学するなら、家族はどうするか?時期や場所、研究内容は?つてはあるか?
方法はある
転職できる
脳外科医として、スキルを活かす方法はいくらでもあります。
手術だけが脳外科ではなく、外来、療養病棟管理、リハビリ、脳ドック、放射線治療など様々な分野があるからです。
困ったら、医師転職支援サービスの【JMC】に相談だけでも、してみてください。無料かつ親身にアドバイス、あなたにぴったりの就職先をご提案いただけます。
需要はたくさんあります。今の職場が原因なら、行動あるのみ!
転科できる
サブスペシャリティ分野の変更や転科もひとつの方法。勇気はいりますが、始める時期に遅いことはありません。
先輩はリハビリテーション科に転科しました。美容業界も大人気。
開業できる
すでに専門医をお持ちであれば、開業もひとつの選択肢。外来診療がメインになりますが、専門医を活かせ、地域に還元できます。
先輩の3人が開業して、成功しています。
ブランクができても
妊娠・留学・介護・病気。過去は変えられず、未来を心配しすぎても始まりません。
今に目を向け、その都度できることをしましょう。きっと努力すれば、また戻れます。
違う道でも、新たな挑戦と捉えて進むのみ。
まとめ
「脳外科をやめたい」ときの対処法についてお話しました。
あなたの人生、あなたらしくキラキラ輝ける!そんな方向に進んでみてください!